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当協会の会報を、バックナンバー含めて総てお読みいただけます。1999年から続く本会の歩みをぜひご覧ください。視力を使わずに自由に街路を闊歩できる技術、歩行訓練。ここではその体験者の皆様のお声をインタビュー形式でお読みいただけます。ここでは視力を用いずにパソコンを利用されている様々な当事者の方の事例をご紹介します。

歩行訓練士スーちゃんとの街歩きコラム♪

目が見えにくく、見えなくなると自由に外出できなくなるのだろうか、こうした不安を取り除いてくれるのが歩行訓練です。
視力障害のため歩行が困難となっても訓練を受けることで様々な場所へ行けるようになります。
ほかにも公的なガイドヘルパーや盲導犬の利用といった方法がありますが、歩行訓練の魅力は自分で行きたいところへ行きたい時に行けることです。そんな歩行訓練の魅力を、体験者の声を交えて発信しています。


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「いまさら歩行訓練なんて…」と消極的だったMr.Xさんの歩行訓練成長記


すーちゃんイラストすーちゃん:はいMr.Xさん、おはようございます。
Xさん:おはようございます。
すーちゃん:今日はよろしくお願いします
Xさん:はい。
すーちゃん:ええっとシリーズものになりましたが・・・。
その後も何回か歩行訓練を受けているということで、その辺の話聞きたいと思います。
Xさん:お願いします。
すーちゃん:どの辺りを歩いてる練習してるのかな。
ユニクロ外観Xさん:今は三宮近辺の、前に歩行訓練したさんちか(三宮地下街)のラーメンロードを通りつつ、TSUTAYAとユニクロに行くという・・・。
すーちゃん:広がってますね。
Xさん:ええ。
すーちゃん:ラーメン以外にも。
Xさん写真Xさん:そうです!
ラーメンロードを通り過ぎながら地下道を通って、そのまま点字ブロックをたどりながら階段を上がってTSUTAYAを目指す、ユニクロ目指すという。
すーちゃん:ああ、地図が伸びてるねぇ。
Xさん:伸びてるんです。
ついでにラーメンを、ついでにユニクロをみたいな。だから全部ついでみたいな感じになってるんですけどね。
すーちゃん:でもそれっていいよね、理想的よね。
Xさん:今度はそこから帰りのことも考えなあかんし、で、TSUTAYA、ユニクロが終わってそっから"さんちか"に戻るのか、それともTSUTAYAを出て、アイライトに行くためにバス停まで行って・・・と。TSUTAYAとバス停が直ぐ近いから。
すーちゃん:そうよね、うん。
Xさん:そのバス停にも行けるよう訓練にして、アイライトに行けるようにもしようかなという。
さんちかのスタート地点へ戻るよりも、さらに出かけた先からアイライトに行く、そういう手もあるかなっていうことで。増やしてるんです。
すーちゃん:すごいね。選択肢が広がってる感じね。
Xさん:ええ。最終的には、もっと広がっていって違うのになるかもしれないんですけど・・・。今は同じ所を重点にしながら歩行訓練をやってるんですけど。
すーちゃん:なるほどね。こうベースキャンプがあってそこからA地点へ行っては戻って、次はB地点へとね。
Xさん:それと、三宮の阪急がちょっと工事して変わったせいで、今まで阪急で乗車券買ってたのを阪神でせなあかんことになったんやけど、今回の歩行訓練のコースに阪神の乗車場があるから、ついでにそこで乗車券を買うとか。結構、自分の生活に沿わしながら、自分で応用できることを目指しながらやってるっていうか。ですね。
すーちゃん:ほんとに普段の生活が歩行訓練の中で、自然な形になってきてるね。
Xさん:そうですね、自然な形やね。だから歩行訓練をやり始めてから、何かに導かれるかのように行ける道が増えていってるという感があるし・・・。
予定している道の1つがだめだったら違う道行くってなるように。
歩行訓練をする道が増えて、こんな風に対談の仕事増やしてくれてるんだなぁってのが。
俺が働くためにこう何かに導かれてるなと。
すーちゃん:導かれてますねぇ(笑)
Xさん:アイライトに行く道もそうですけど、その道中にあったいつも寄るコンビニがなくなったからコンビニ開拓とか・・・。
すーちゃん:必要に迫られて?
Xさん:以前利用してたコンビニから新しいコンビニへ行く道への修正をしつつ・・・ということも増えてきました。ついでにこの近所の開拓というのも考えながらやってるんですけど。
すーちゃん:なんか、よりゆたかになってる感じが。
Xさん:そうです。ええ。
すーちゃん:なんだか生き生きしてるもんね。最近のXさん。前から生き生きしてるけど、より生き生きしてるって感じがしますね。
Xさん:ちょうど今まで通っていたコンビニがなくなって急遽どうしようてなって・・・。
でも、運がいいんですよって言われて、うんそうだな、運いいよ俺。冷静に考えたらそもそも無くなったこと自体で新しい道を覚えられるから運ええか、と思いながら。
すーちゃん:んー、そんなもんじゃないかな。ここまで来れたら、これが出来たら、じゃあ次もっていう風に自然と伸びてくものやと思うし・・・。
これも出来るんじゃないかなっていうのがどんどん積み重なって、じゃあ次へもっていう風に自然な形へつながってるんかなぁって思う。
ちょっと戻るけど、たとえばユニクロとかTSUTAYAとかそこまで行ったらその後って、お買い物だったり借りたりとかするのはどうやってるの?
すーちゃんイラストXさん:そうですねぇ。今の所はユニクロまでの歩行訓練ですけど、最終的には店の中に入って店員さんを見つけて、入った瞬間呼ばなあかんいう感じなんです。ヒートテックはついでに買ってきました。
すーちゃん:そやね。
Xさん:歩行訓練の時は集中して、感覚的にはこういうもんでってやってるんですけど・・・。
集中してたら他のことに後々に響くから、やっぱりパワーをセーブするじゃないですか。
すーちゃん:はい。うん。
Xさん:で、セーブするとやっぱ感覚がちょっと散漫になった部分とかあった時は、こういうとこをやっぱ完成せなあかんかったなあ・・・とか、ああこういうとこが自己流でしてただけにその時は感じんかったけど、訓練で教えてもらってこういう感じ方するんや、という風には思うことありますね。
すーちゃん:ああ、なるほど。うんうん。自分でこう振り返ることができるようになっているのね。すごいな。
Xさん:ええ。ああ、こういうことはしとかなあかんなとか、こういうとこを気をつけておかなあかんかったんやなって・・・。訓練中は歩くことがメインで怪我せずにと集中してるんですけど、普段の時やったらやっぱパワーをこうちょっとセーブしたりして・・・。
でも普段の力くらいですると感覚がちょっと違うし・・・。もっと集中して白杖で探して伝って行く感とか。
すーちゃん:そかそか。メリハリをつけてということやね。
Xさん:ええ、そうなんですね。怪我せえへんとか白杖で伝ってるいう時は集中して、ほかは普段の力くらいにした状態で、別にその気張らんと・・・。
けどやるべき場面があって、それには集中せないかんからセーブしてる力でやろうとすると自分が思ってることと全然違うんです。
すーちゃん:なぁるほど。もう精神レベルの話ですね。これは杖の技能云々ではなく・・・。
Xさん:ええ、ええ。改めて自分一人で歩くときは、俺、ここは訓練の時はよかった、けどその時こういう風な感覚でおったんやとか、やっぱ時間が経ってから行くもんなんで。その時と感じてるもんは違うやって、で、何に集中して気をつけたら安全にこうここに戻って来れるっていうのをあらためて思いましたね。
すーちゃん:Xさんらしい、歩き方をしてますねぇ。でもわたしそこまで内面考えてやっているって言う話はいろんな方と歩いてて初めて聞いたので、ちょっと斬新。
Xさん:ああそうですか。
すーちゃん:すごい。ってかそこまで持って行けるってのは、既にもう考えられるっていう気持ちの余裕が出てきたっていうことかなって思う。
Xさん:そうなんすかね。
すーちゃん:うん。だってそこまでいかないもん。普通やったら。今目の前のことでいっぱいで。
Xさん:そうでしょ。いっぱいでしょ。だからやってる時はいいんですよ。でも訓練で行ったからって、じゃあ普段に訓練の時みたいに集中した状態で物事ずっとおれんのかっていったら絶対無理なんでね。
すーちゃん:わかるわかるうんうん。そやね、使いたいとこに使えるように。うんうん。
Xさん:だからこう全体的にいうてみたらその集中力は50くらいにしとかんと。50にすると違うんで。訓練してた時はできてあたりまえが、そのあとの忘れてる感覚とシンクロしにくいから理由がわからなくなるというのか、だから道に迷ったこともありますよ。
すーちゃん:ああ、それはそうでしょう。うんうん。
Xさん:迷ってたら声掛けられて、で、個人的にはもうあかんと諦めたら「すいませんお願いします」とか言って。
すーちゃん:それでいいと思います。
Xさん:すいません、ここ行きたいんっすよと伝えて。
すーちゃん:それもありだと思います。
Xさん:ええ。ああそうっすかありがとうございますとか言って。
すーちゃん:大分変わったね最初にお話しした時から。
Xさん:ユニクロに行きたいかっていったら別に普段から行かないっすよ。その必要以上のことはしたくないっていうのが。そのスタンスでやってるので。
すーちゃん:(笑)
Xさん:でもやるって言ったもんはやるっていう人間なんで、やっちまったなといつも常にあるんす。やっちまったなって思ったら。
すーちゃん:もうしばらくやっちまったなは続けてください(笑)
Xさん:当分続くシリーズやと思うんすよね。来年(2017年)1月からまた1年間1ヶ月1回続ける企画やから。
すーちゃん:そうでした。
Xさん:だからこの対談も、半年1回か1年1回やるのかまわないですよ。来年(2017年)1月は寒いから、あの、近所で歩行訓練しようって話にしたんすよ。もう近所にしようって。行ってないあっちゃん(料理屋)行こうって。ひとりで行こうとして失敗したって何人か聞いてるから。
すーちゃん:オファー出ました!わかりました。
Xさん:ああそうって、一回自分試しに歩行訓練してみて、晴眼者の人が見てこの辺かなっていうのと、俺が行ってみた情報のデータをすり合わせて、こういう風にやって、成功したよ!こういう風な所を気をつけてたよ!という話になるんやったら俺は全然OKやと思ってるんで。
すーちゃん:うんうんそうよね。見える方が伝えるのと、見えない本人の感じは違うもんね。
Xさん:こういう風にしてたよ、とかこういう風にしてたら行けた人もいましたよ、と伝えてあげる方が時間のロスにはならないのかなと。
すーちゃん:どんどん階段上ってってますね。今後もぜひ続けてください。またお話を聞かせてください。
Xさん:はい。
すーちゃん:今日はどうもありがとうございました。


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