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当協会の会報を、バックナンバー含めて総てお読みいただけます。1999年から続く本会の歩みをぜひご覧ください。視力を使わずに自由に街路を闊歩できる技術、歩行訓練。ここではその体験者の皆様のお声をインタビュー形式でお読みいただけます。ここでは視力を用いずにパソコンを利用されている様々な当事者の方の事例をご紹介します。

歩行訓練士スーちゃんとの街歩きコラム♪

目が見えにくく、見えなくなると外出は自由にできなくなるのかな?こうした不安を取り除いてくれるのが歩行訓練です。
視力障害のため歩行が困難になっても訓練を受けることで様々な場所へ行けるようになります。ほかにも公的なガイド派遣や盲導犬といった色々な方法がありますが、歩行訓練の魅力はなんといっても自分で行きたいところへ行ける、「自由である」ことです。そんな歩行訓練の魅力を、体験者の声を交えながら発信しています。


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今回は歩行と共にフルマラソンも楽しんでおられる方のお話です

すーちゃんすーちゃん:Sさんこんにちはぁ♪
Sさん;こんにちは。
すーちゃん:はい、ええ今日はSさんが白杖で歩いているとお聞きしていますので、そのあたりと、街でぶつかったというお話を聞いていますのでその辺をちょっと聞かせてもらえたらなと思います。よろしくおねがいします♪
Sさん;はい。
すーちゃん:まず、今のSさんの見え方、状態を簡単に教えてください。
Sさん お顔Sさん;視力は0.02から0.04の間くらいをうろうろして、日によって見え方が異なるんでねぇ。
  しっかり前方が見えるときもあるし、見えない時もあるんで…。
  数メートル先がかろうじて確認できるというのが今の状態でね…。
すーちゃん:ああ、そうなんですね。
Sさん;それと、視野が非常に狭くて、左眼の右半分位しかこう……物体が見えないんよね。
すーちゃん:うん。
Sさん;だから今ね、5%の視野で物を見てる状態。
すーちゃん:ああ、そうですか。だいぶ制限されていますね。ここアイライトまで白杖を使って歩いてらっしゃいますが、どこかで訓練は受けられたことありますか?
Sさん;訓練はね、3年ほど前やね、いや、もう4年くらい前になるんですかね。
すーちゃん:うん。
Sさん;それまでは白杖無しで歩行できとったんで…。
すーちゃん:ああそうでしたか。
Sさん;それで角膜ヘルペスでほぼ見えなくなって…。
すーちゃん:ああ
Sさん;でも、まあ最近の治療のおかげで、ぼやっとはひとりで何とか行動できるくらいの視野を確保できてるいうんですかねぇ。せやから知ったところはどこでも行きますけど…。
  知らないところで建物を探すのは、そういうのが一番困ることあるんで…。
すーちゃん:うん
Sさん;いったん覚えれば、それなりに行動できるんだけど、覚えなければ自分がおる位置すら分からんていう状態なんですよね。
すーちゃん:うん。
Sさん;じゃ、行ったところは歩けると言うと…
すーちゃん:歩行訓練で練習したらと言うことですね?
Sさん;ええ
すーちゃん:街を歩いている時に、他の通行者とぶつかった体験があると伺ったことがあるんですが、ちょっと聞かせて貰っていいですか?
Sさん;三宮の地下のさんちかやね。
サンチカ写真すーちゃん:人通り多いところですね。
Sさん;JRの改札を出て、少し行ったあのエスカレーター降りたとこね。あの辺りなんです。阪神向かって…。
すーちゃん:うん
Sさん;歩いてる途中に、この白杖の先に足を引っかけてこけられるというケースが2件か3件あって…。
すーちゃん:あらら。
Sさん;女性もこけたし、男性もこけたし…。男性は車いすで運ばれてしまいました。
すーちゃん:ええ!?
Sさん;白杖の先を横切ろうとして、白杖の先で引っかかってこけてしまったんですよ。私とぶつかってというケースはあんまりありません…。
すーちゃん:白杖の先にひっかかった…。他の人を見ていない方も多いですからねぇ。手元のスマートフォンを見てたりだったりとか…。
Sさん;見てないからね、人通りの多いとこは…。
すーちゃん:こちらもまわりの状況が把握できない分、そのために白杖を持って歩いているわけなんですけど…。
Sさん;街を歩くときは、周りも白杖なんて見てないかも知れないし…。
すーちゃん:うん…。
Sさん;相手を見て歩いてへんからね。
すーちゃん:どうしたらいいっていうのもへんだけども…。
Sさん;でまあ歩行訓練の先生に一回そんな話したら、まあ、「歩き方が早いんちゃう?」ともっとゆっくり歩いてみたらと…。
すーちゃん:ああなるほど。早さね。
Sさん;ゆっくり歩いたら…、なんていうんかね、こうあまり遅いペースで歩いて行くと自分自身がイライラするというか…。
すーちゃん:うん。
Sさん;その歩くリズムってあるでしょ。
すーちゃん:はい、ありますねぇ。
Sさん;わたしのように見えてない者でも早いのは早いからねぇ。
すーちゃん:うーん、なるほど。でも、やっぱりその人にとって歩きやすいペースってあるから…、あと、周りにぶつからない程度の、丁度いいぎりぎりのペースを見つけて注意して歩くしかないですもんね。
  そのときの思いから、他にもそういう体験された人がいるんじゃないか、と言うことで意見を集めておられましたね。どういう意見が多かったですか?
Sさん;まぁ、そういう経験はあるけど、ある程度しゃあないというのが…。
すーちゃん:しゃあない?
Sさん;自分で注意する以外ないや、というのが多かったですね。
駅のホームから落ちるのも一緒やと思いますけど…。落ちた人の話も聞きましたけど…。
ほんと危険。皆さん、いやぁでもほんと、体張って、というのも変だけど、命賭けて、命懸けで歩いている。
すーちゃん:そう、最大限の防御して歩いて行くしかないのかな?でも、もう少しわたしなんかはあの周りにも配慮して歩いてもらえたらお互いにいいなぁ、そういう街になったらいいなぁ、とはいつも思ってるんですけどね。
Sさん;なかなか余裕がないでしょ社会に、人を思いやるというの…。自分の仕事や自分の生活やらが優先されるからどうしても…。
すーちゃん:うーん。なかなか辛い……状況ですねぇ。わかりました、ありがとうございます。最後に、Sさんてこう結構アスリートと言いますか、走っているとか登っているとかいう話をチラっと聞いたんですけど…。今は何に取り組まれているんですか?
Sさん;見えなくなって運動能力が落ちて、自分で走ることができないじゃないですか。走ることも歩くことすらも、ちょっと早歩きして歩くことができないんでね。で、伴走者協会ってありますよね兵庫県に。
すーちゃん:はい
Sさん;そこへ歩きに行ったんです最初は。
すーちゃん:うん、ああ、そうだったんですね。
Sさん;で、早く歩くということを目的に行ったんですけど…、走ってみいひんかと言われたんですよ。
すーちゃん:はい。
Sさん;まあ、ストレス発散なるし、体力もつくでって言われたからね。
すーちゃん:うん。
Sさん;ま、確かにストレスも発散できたし、体力も付いたんですけど…。
すーちゃん:うん
Sさん;明石公園にちょっとした坂があるんすよ、全長1.2kmくらいのコースなんですけど。
すーちゃん:はい。
Sさん;そこの最初のその坂で、もう息があがってしまって…。
すーちゃん:あ、そうなんだ
Sさん;まあ半年位してからかな、レースがあるから出てみぃへんか?と言われて…。
すーちゃん:ええっ!レース?
Sさん;それでまあ、最初5kmのから始まってね。
すーちゃん:はい
Sさん;5キロ、ハーフ、フルというような感じで練習を…。
すーちゃん:うん。
Sさん;3年余りで大体フルマラソンが完走できるようなところまで来たんですけど、フルマラソンを走りだすと、タイムが…、制限タイムがありますからね。
  それでもまあ、フルマラソンやったら、なんぼ悪くても5時間台で走らなならんことには、かっこがつかんと思いましてね。それが最初のレースは6時間半くらいやったんですよ、
すーちゃん:そうですか。
Sさん;それで、5時間を切ることを今の目標にして、6時間、5時間台で走ること目標に練習を一応して、それでまあ今年もまた挑戦してみたいな、というのは思うております。
すーちゃん:ねえ。確か昨年は神戸マラソン走られたって聞いてるんですけど…。
マラソンSさん;それが6時間半なんで。それではいかんと。だいたいがレースは6時間以内がだいたい基準でしてね、早いものやと5時間以内言う基準があるんですよね。
すーちゃん:ああ。そうですか。
Sさん;5時間切るようなのはよう出ませんけど、6時間台のところは走れるような走り方ができればと。
すーちゃん:そうですかぁ。
Sさん;それが今、目標ですね。
すーちゃん:それじゃ、今の目標に向けて日々活動中と言うことですね。
Sさん;はい。
すーちゃん:ぜひ楽しく走って、で、街の中も楽しく歩いてください。
Sさん;はい。
すーちゃん:今日はどうもありがとうございました。
Sさん;はい、ありがとうございました。


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