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当協会の会報を、バックナンバー含めて総てお読みいただけます。1999年から続く本会の歩みをぜひご覧ください。視力を使わずに自由に街路を闊歩できる技術、歩行訓練。ここではその体験者の皆様のお声をインタビュー形式でお読みいただけます。ここでは視力を用いずにパソコンを利用されている様々な当事者の方の事例をご紹介します。

歩行訓練士スーちゃんとの街歩きコラム♪

目が見えにくく、見えなくなると外出は自由にできなくなるのかな?こうした不安を取り除いてくれるのが歩行訓練です。
視力障害のため歩行が困難になっても訓練を受けることで様々な場所へ行けるようになります。ほかにも公的なガイド派遣や盲導犬といった色々な方法がありますが、歩行訓練の魅力はなんといっても自分で行きたいところへ行ける、「自由である」ことです。そんな歩行訓練の魅力を、体験者の声を交えながら発信しています。


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今回は最寄り駅を単独利用できるようになられた方のお話です

すーちゃんすーちゃん:こんにちは。
Tさん;こんにちは。
すーちゃん:今日は久しぶりに高尾さんとお話しできるということで楽しみにしていました。今回もガールズトークですね。(笑)
Tさん;ハハハ
すーちゃん:白杖を使って歩く歩行訓練のことでちょっとお話を訊こうかなと思うのだけど…
Tさん;はいおねがいしまーす!
高尾さん 写真すーちゃん:まず、これまで歩行訓練を長く受けてると思うのだけど、簡単でいいので今までやってきたことを教えて下さい。
Tさん;はい!実は、私は生まれつき目が見えないんです。なので、盲学校に幼稚園から高校3年生まで通っていたんです。神戸市立盲学校の高校3年生を卒業した後も、京都府立の盲学校で音楽、ピアノを勉強しようかなと思って3年間がんばってました。(震災復興を願う歌「勇気」 作曲:高尾 美智子)
神戸市立盲学校 外観すーちゃん:うん。
Tさん;その後も、国立神戸視力障害センターで生活訓練を受けて、それが一年間かな。…半年間入所して、もう半年間は通所してっていう、その後はもう数年、このアイライトに通っています。というのが現在の状況です。
すーちゃん:なるほどぉ、…古株やね。
Tさん;はい!その中で歩行訓練とずーっと付き合ってます。
すーちゃん:ずっと続けてるんですね。
Tさん;ずっと、続いてます!!続けざるを得ない状況です。みたいな、現在進行形です。
すーちゃん:私も一時期、一緒に歩行訓練で歩いたことがあるけど…その節はお世話になりました。
Tさん;いえ、こちらこそ。…数年前でしたけどねぇ。
すーちゃん:そんな前?
Tさん;3,4年です。約1年間くらい。短っ!みたいな、もう終わりなの?みたいな。(笑)
すーちゃん:時間の流れを考えるとちょっとおもろいよね。じゃ、あの、歩こうと…練習しようと思った切っ掛けって何でしょう?
Tさん;一番のきっかけっていうのは…あたし、極度の方向音痴で…右・左はかろうじて判るけれど東西南北言われても…で、来た道をひとりで帰れますかって言われても、「はぁ?」で、一回間違えた方向を憶えちゃうとそっちが正しいのかと思い込んじゃって…間違ってると判ったときには、もう最初の頃なんかはパニクってしまって…下手すると泣いちゃう場合も!学生時代は、ありました(笑)
すーちゃん:(笑)
Tさん;それが、歩行訓練士の方からのアドバイスを受けて…、車の音よく聴いてっていうのです。
すーちゃん:ああ、なるほど……・
Tさん;それが、方向を判断する目印になるからいいよって。
すーちゃん:手がかりにね…
Tさん;そうそう。で、横断歩道とかで、自分が歩く方向と平行方向に車がヒューンと行ってたら、渡れる、大丈夫。左右に、垂直方向にヒューンって行ってると渡れない。
すーちゃん:うん。今信号が赤か青かを判断する。
Tさん;そう。
すーちゃん:手がかりになるいうことだね。
Tさん;そうです。あとは、点字ブロックがないところ、それこそ横断歩道のように…
すーちゃん:うん。
Tさん;点字ブロックのないところだと、極端にゆがんで歩くことがあって、「あれ、どうしよう!どっちに行ったらいいんだっけ!」って泣くまで行かなくても結構パニクってた。
すーちゃん:うん、どきどきしてたんだね。
Tさん;してたよぉ心の中では!…見せなかったけど…。
すーちゃん:遠くから見守っていました。
Tさん;そうだよね!で、ゆがんで歩くと車の音聴いてねって歩行訓練士の方に言われるから「ん?ちょっと待った!ちょっと待った。」ってなる前に「ん?ちょっと待てよ。今あたしどっちを向いているんだっけ?音?車の音?あっ!なるほど。ちょっと若干右気味かな」と左に修正する
すーちゃん:うん。
Tさん;それか、「ん?これは、こんなもの見たことないな、あぁ、じゃあ右によればいいのかな?で、右に修正する」っていうテクニックも憶えました。
すーちゃん:凄いね。
Tさん;はい!
すーちゃん:と、いうことは実際に歩いてみて、音を聞いてね…
Tさん;はい。ちゃんと聴いて方向を判断したりゆがんでるのを修正したりできるようになりました。
すーちゃん:ああ、すごいね。
Tさん;点字ブロック行き過ぎたぁ!と思って横に行かないとかの修正方法も憶えられました。
すーちゃん:なるほどねぇ。いろいろ受けてみてパニックになるのがちょっとずつ減ってきたのかな?
Tさん;はい
すーちゃん:大きなことですね、それはねぇ。
Tさん;はい。
すーちゃん:落ち着いて続けて歩くことが徐々にできているってことだよね。
Tさん;そうです。
地下鉄新神戸駅すーちゃん:ちなみに今は何処を練習していますか?
Tさん;今は新神戸駅からアイライトまでの来る方向を毎週水曜日の朝に練習しています。それと、帰りもスタッフの方の見守りで練習しています。で、あと一人で行けるのは西神中央駅。
すーちゃん:あ、そうか。
協会前 道路Tさん;電車から降りて視覚障害者用とか、車いす用のタクシー乗り場のロータリーがあるのかな?そこまでをひとりでも行けるようになりました。
すーちゃん:あ、それはいいことだねぇ、あとそこからはご家族と一緒かな。
Tさん;はい。
すーちゃん:その間を一人で移動できるいうのはとても大事やね。
Tさん;電車に乗るときは、この車両のこの扉って決めて、時間帯も大体判ってるんで、時間帯が判らないときには駅員さんに手引きをお願いしています。
すーちゃん:ああ、そうかそうか。
Tさん;うん。
すーちゃん:いいね。できるときは自分でやって、難しい場合は協力してもらってって使い分けだね。
Tさん;だから、やってみて……まぁ、方向音痴いうのはなかなか治らない、というか治りにくいけど、でも改善がされたように自分では感じています。
すーちゃん:わたしも方向音痴なんですけどね(笑)
Tさん;ウソーー!!
すーちゃん:実は、うん。必死で、……必死です。
Tさん;そうだったんだ、そのようには見えない(笑)
すーちゃん:(笑)では、このページを見てくれている人に何か伝えたいこととかあったら最後に聞かせてください。
Tさん;はい。えー、わたしは歩行訓練って言うのは、視覚障害者の人が、自立する上での道の第一歩だと思うんです。
すーちゃん:なるほどねぇ。
Tさん;なので、私、基本的には家族とお出かけしたりとか、音楽療法に行くときはガイドヘルパーさんと一緒にっていう行動が多いんです。けど、一人で歩けるって言うのもとても楽しいことだと思うので、歩行訓練受けたことがないよという方、少し興味はあるんだけれども、出来るかなぁなんて思っている人がいらっしゃれば、やってみると道は開けますよ。
すーちゃん:道は開けますよ。
Tさん;歩行訓練だけに道は開けますよと。
すーちゃん:ははは(笑)
Tさん;うまいね。
すーちゃん:大事なことやね。
Tさん;うん。
すーちゃん:わかりました。今回もとても大事なことが入っていたと思います。良いお話しをありがとうございました。
Tさん;ありがとうございました。


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