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ここ数年で、スマートフォンの登場やPCそのもののユーザーエクスペリエンスの進化等、IT機器が情報入手に果たす役割はより大きくなりました。
視覚障害から文字情報の入手が困難となる状況では、パソコンなどのIT機器の活用で、生活面は勿論、仕事、学び、趣味など多方面に渡ってその内容が大きく改善します。このコラムでは、視覚に障害をもつ方々がパソコンやタブレットなどのIT機器を活用しながら、「生きがい」や「希望」につなげておられる様子をお伝えしていけたらと思います。
見えない・見えにくい方のIT活用
音声パソコン個別講習を受けて
視覚障害とWebアクセシビリティ
(Web開発者向け)
ネットショッピング
amazonでネットショッピングを楽しまれている全盲の方のお話です。
この方はご趣味の蒸気機関車のCDを探していたのですが店頭ではなかなか見つからず、これがインターネットショッピングを始めるきっかけとなりました。インターネット上には多種多様のニーズを満たしてくれるショップがあると知っていましたが、自分のスキルではまだ利用は速いのではないか、難しいのではないかと、挑戦するにはなかなかの勇気が必要だったそうです。しかし、どうしても入手したいCDがあり、47歳の誕生日をきっかけに、ネットショッピングで購入することを決心されました。
amazonを利用するためには、少将手順の複雑なアカウント登録(住所やメールアドレスなどの登録)が必要ですので、初めてのショッピングは、スタッフの方とともに行いました。「とはいえ、2回目からもすっといったわけではなくて、2回目をとりあえず家で、自分でやろうとしたんやけど、支払い方法のところまででどうしてもうまくいかなくって…」とのこと。なので、スタッフの方に相談し、簡単なマニュアル作成を依頼されました。マニュアルでは、「ホームページの中で、目的のボタンのある箇所へ移動するためにPキーを何回か押し、ラジオボタンを何回移動すると支払いまでたどり着ける」などが書かれています。このメモを参照しながら3回ほど挑戦したところで無事に注文できたそうです。そのうち、マニュアルを参照しなくても注文ができるようになり、ネットショッピングを頻繁に利用するようになったとのこと。
蒸気機関車のCDはもちろんのこと、トースターや扇風機、ヒーターなどの家電製品の購入もamazonを利用されています。特に重い家電など家まで配達していただけるのは、とても便利だそうです。現在はお母様にご負担が無いようにと、ミネラルウォーターやレトルトカレーなどの食料品もamazonの宅配を利用し、活用の幅はますます広がりを増しているとのことです。
パソコンで音声ソフトを利用して豊富な商品を自分で選択・購入し、自宅まで配達してくれるネットショッピングは、視覚障害のために生じる移動と情報入手の不便を解消し、自立した生活を送るための良いツールなのかもしれません。
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