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近年、内蔵部品の高性能化によりPCの情報収集に果たす役割は更に大きくなりました。
視覚障害から文字情報の入手が困難となる状況では、パソコンなどのIT機器の活用で、生活面は勿論、仕事、学び、趣味など多方面に渡ってその内容が大きく改善します。本コラムでは、視覚障害の方々が音声パソコンを活用されている様子やソフトをご紹介します。
見えない・見えにくい方のIT活用
音声パソコン個別講習を受けて
視覚障害とWebアクセシビリティ
(Web開発者向け)
パソコンで開けた世界
アイライト協会で開催されている中山パソコン初級講習を終了後、個別講習を受講されている方のお話しです。
この方は、昔から日記を付けることを習慣にされていましたが、見えにくくなるにつれてその習慣から遠のかざるを得ない状況となられました。
しかし、まだまだやりたい、知りたいことがあるとの思いから、目が見えない状態で使用できる音声パソコンに挑戦しようと決意し、74才で初めて、パソコン講習に参加されました。
はじめてのパソコン初級の集団講習では意欲的に文字入力練習に取り組まれ、続く個別講習では、日記と共にブログを書きたい、新聞を読みたい、Twitterをしたい、CDから音楽をPCへ録音するなど、徐々に、そして確実にパソコンを習得していきます。
メールも折々交わさせていただいているのですが、あるときとても大きな変化が訪れます。
それまでは抜けることの多かった文中の句読点が出現したのです。
今までは慣れないローマ字入力それ自体と漢字変換、その音声での聞き取りに集中されていましたので、句読点の入力を意識する余裕が持てない状態だったのでしょう。
今ではその日記は大変なボリュームとなり、ブログやTwitterの執筆に加えて音楽やラジオを聴かれるなど、パソコンのご利用を引き続き幅広く楽しんでおられます。
「何事も前向きにやること、後ろ向きになると続かない」とのご本人のお言葉は大変印象的でした。
四国88箇所札所巡りがご趣味で、折々、お遍路にも出かけておられます。
その際にも、訪れるお寺の歴史をネット検索で、何度も調べてから出かけられます。
「同じお寺を訪問しても、どの時代に誰によって作られたかが分かっているのは実感が異なるし、長宗我部が秀吉に攻められたときに焼き討ちになった様子なども在り在りと分かる。金泉寺に残っている、弁慶が持ち上げた岩などもより実感を持って感じられる」と、こんなお話しから、パソコンを利用することで、あきらめていた日記や趣味の世界が再び広がり、新たに生きがいを見出された様子が伝わってきます。
76歳の現在も、引き続き、パソコン個別講習の受講を続けながら、日記の作成、ブログ、Twitter、旅行、ラジオと意欲的に楽しみを広げ、忙しい日々を送っていらっしゃいます。
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