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近年、内蔵部品の高性能化によりICT機器の情報収集に果たす役割は更に大きくなりました。
視覚障害から文字情報の入手が困難となる状況では、音声パソコンやスマートフォンの活用により生活面は勿論仕事や学び、趣味など多方面に渡って良い方向へ大きく変化いただけます。
このページではWebサイトを開発される方へ向け、実際に視覚障害当事者が直面する不便を解決することを主にした簡単なご案内を掲載しています。
お役立て頂けましたら幸いです。
見えない・見えにくい方のIT活用
音声パソコン個別講習を受けて
視覚障害とWebアクセシビリティ
(Web開発者向け)
視覚障害とWebアクセシビリティ
視力に頼らないWebページの利用を円滑にいただくには、スクリーンリーダーの特性を踏まえたHTMLレンダリングが必要です。
以下では主にWebページ開発をされている方へ、音声パソコンやスマートフォンの利用時に役立つHTMLおよびCSSのコーディング手法を紹介します。
ページの軽量化
Webページの読み込みを高速化することで音声読み上げ対応のパソコンやスマートフォンでの利用を円滑にします。
・軽快な動作の必要性
スクリーンリーダーは画面の内容を音声に変換して読む作業を行い続けているため常にCPUへの割り込み処理が行われることとなり、結果端末のリソースを消費します。
また、スクリーンリーダーは動作に即応性が求められることからメインメモリに常駐し、PC-Talker Neo build2009 の場合、32bit環境では常に4MB~64bit環境では実に13MBものオンメモリワーキングスペースを専有し続けています。
また、音声エンジン(合成音声を出力するためのギガバイトサイズのデータベース)によっては音声データを一時的に本体ストレージに保存する動作が含まれる関係から、ディスクI/Oの帯域も消費し続ける環境があり得ます。
加えて音声対応のブラウザ「iOS safari、NetReader Neo」では、Webページ内の文章が画面へすべて表示されているとしても、1つでも読み込みが終わっていない画像があれば音声読み上げを開始できません。もしくは読み込み中を示すサウンドを聴きながら文字情報を聴取することになります。
そのため、Webページ全体の読み込みを速くすることが音声利用の場合にのみ生じる動作遅延の低減へつながる場合があります。
・プログラムとしてのWebページの実行効率を上げる
Googleより公開されているPageSpeed Insightsをご利用いただくことで、画像、JavaScript、CSSの圧縮されたデータを入手可能です。Webサイトの運用をレンタルサーバーで行われる場合、よりハイスペックなマシンを利用可能なメーカーを選ぶ方法や、linkタグへprefetch属性を加え、リソース取得を円滑にする方法、imgタグに decoding=async属性を加えて画像の読み込みをCPU速度依存とすることで並列的な処理を実現して素早くリソースを取得する方法もデータ読み込み速度の改善へ役立ちます。
その他、htmlを直接サーバーに上げる場合はファイル容量を減らす、CMSで出力される場合はPHPのバージョンアップやCMS自体のアップデート、速度を上げるプラグインの導入、IPV6やhttp-2への対応、あらゆる高速化手法がスクリーンリーダー利用ユーザーの利便へ直結します。
お手持ちのWebサイトの運用へ、参考といただけましたら幸いです。
本分終了