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ガイドヘルパーと歩行訓練士
ガイドヘルパーと歩行訓練士
「一人歩きは危険」「ガイドヘルパー(同行援護従事者)さえいればいい」「歩行訓練士は必要ない」」といった考えの人が晴眼者だけではなく視覚障害者の中にもいます。
はたして、それでいいのでしょうか。
この考えには抜けているところがあると思います。
一つ目はガイドヘルパーがどのような場合でも利用できるとは限らない、すべてカバーできない点です。
通勤、通学、作業所等への通所は多くの場合は対象外です。
でも通勤、通学、通所こそが最も必要度の高い歩行ではないでしょうか。
それから利用時間制限があったり、休日・早朝・夜間や急用には利用が難しい場合もあります。
次に自宅の近所への歩行はガイドヘルパーがいいのかということです。
たとえば自宅から近くのパン屋さん、コンビニ、スーパーなど少し練習すれば安全に行ける可能性が高い場合は多いはずです。
またちょっとした買物に、ガイドヘルパーをお願いしなくても行けることは、その人の自立心を強くし生きる自信につながります。
鉄道やバスなどの最寄の駅も少し練習すればいけることは、かなりあると思います。
駅にさえ行けば、自力または駅員さんの協力で行動範囲は大幅に広がります。
こういった場合、歩行訓練士の安全で能率的な指導が、生活向上につながります。
神戸アイライト協会が発足以来とりくんできた訪問指導(歩行訓練等)では、多くの方に白杖での一人歩きをサポートし、人によっては読み書きをサポートしました。
その中には失明以来初めて電車利用のできた人もありました。
特に白杖での歩行技術は通勤、通学、通院、家事(買い物、所用)など生活の根幹をなす切実な問題です。
転落事故、交通事故への大きな抑止力になります。
現在も途切れることなくサポート希望がきています。
すべてマンツーマンの指導です。
ただ協会の活動は京都市や大阪市などの公的な事業としての実施ではなく、限界が来ていることも事実です。
ガイドヘルパー派遣事業や盲導犬貸与事業と同じように地域で訪問型歩行訓練士派遣事業があって、安全で、能率のよい歩行により生活を向上し、社会参加を促進することができます。
人により、その時により適切な移動方法は異なります。
いろいろな移動方法が地域に準備されて、選択できることが重要なのではないでしょうか。
京都市や大阪市のように専任歩行訓練士が複数いるわけではなく十分な体制ではありませんが、歩行指導のご相談があれば、ご連絡ください。
訪問型歩行訓練とは
実際に歩きたい道での白杖でわかる手がかりを見つけ、アドバイスするのが訪問型歩行訓練士の役割です。
施設での歩行訓練では、白杖操作は十分練習できます。
しかし自宅に帰ると、その手がかりが見つけられないために、白杖歩行をやはりあきらめる方も多いのではないでしょうか。
一人で歩きたいときに歩くというのは、基本的な生活を送る上で自然な希望です。
当協会では訪問歩行訓練を受けたい方は経費の心配なしに指導を受けることができる地域の実現をめざして、発足以来取り組んでいます。
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