以下本文

アイライト通信 No.6
発行:2002.2

・第2回研修会の報告
・一人一人の弱視児のために(関西における拡大写本のひろがりを願って)

     

神戸アイライト協会の活動も3年目が終わろうとしています。
3月からは新神戸の新事務所に移転いたします。
岩屋事務所でのご支援 ご協力に感謝いたします。
新事務所では訪問サポートに加え、通所によるサポートも充実させるべく小規模適所訓練施設「アイライト新神戸」の開設準備を進めています。
そこではパソコン言毒習会などの開催も計画しています。
また多くの視覚障害サポート団体、関係者の連携とネットワーキングを新車務所を拠点に引き続き進めていきます。
今年も神戸アイライト協会の活動へのご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

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第2回研修会の報告

理事長 新阜 義弘

01年11月23日金曜日、勤労感謝の日の小春日和に第2回の研修会を行いました。
会場のこうべ市民福祉交流センター3階は、会場いっぱいの人で、にぎやかに行われました。
せっかくの行楽日和にもかかわらず、視覚障害リハビリテーションに興味関心のある人がこれだけもいるのだろうかと驚くほどの熱気でした。
内容としては、最初に活動報告をしました。
ロービジョン学会について、当協会副理事長でもある兵庫医科大学の山縣祥隆助教授が、神戸アイライト協会については森事務局代表が報告いたしました.予定されていた当協会理事でもある坂東順治代表によるJRPS(日本網膜色素変性症協会)兵庫ブロックの活動紹介は坂東代表のお父様がご逝去されたため、活動報告をきけなかったのが残念でした。
またの機会を期待するとともtこ、お父様のご冥福をお祈り申し上げます。
講演ではJBOS(全国視覚障害者外出支援連絡会)とJRPS(日本網膜色素変性症協会)の会長としてご活躍の釜本美佐子会長の話をききました、 ご自身の海外旅行添乗員としての体験談や視覚障害の受容にいたるまでの苦労話、それぞれの会の活動のお話や、最近とりくみを始められた視覚障害者サッカーなど、わかりやすくユーモアを感じさせる楽しく貴重な講演をしていただきました。
講演後の質疑応答では障害者に対しての受け止め方やJBOSとJRPSのそれぞれの活動についての具体的な対応を尋ねる人が多くいたことが印象的でした。
また県外を含めて遠方から来られていた人も多く、そうした熱気あふれる研修会になったことは、次の研修参会にもつながると信じてやみません。
多数のご参加ありがとうございました。

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一人一人の弱視児のために(関西における拡大写本のひろがりを願って)

拡大写本ボランティアグループたんぽぽ会は1980年(昭和55年)に当初は8名でスタートしたボランティアグループです。
人は誰でも年をとれば、老眼になったり眼に支障をきたしたりするものです。
きっかけは年老いて視力が低下した学院の先生のために聖書の一部を拡大写本して差し上げたのが始まりです。
その頃は、私自身「弱視」や「拡大写本」という言葉すら知らず、研修を受ける術もなく、資料が手に入ることもありませんでした。
ただ文字を大きく書き写す作業だけでまさに手探りのスタートでした。
その後、日本ライトハウスとのかかわりができ、訓練生への東洋医学書や「わんぱく文庫」に子供向けの童話や絵本などを納めるようになりました。
また、個人的に依頼される小学生の地図、年表、教科書など少しずつ増えて本格的に「たんぼぼ会」として発足しました。
現在では、90%以上が教科書の作製に追われています。
視覚障害者のうち、3割が全盲の人達で、7割の人達が弱視児です。
最近は皆様ご承知のように、統合教育の広がりとともに、弱視児が普通学級で健常視力の子供達と机を並べて勉強することが増えてきました。
盲学校に在宅籍する弱視児には、文部省からの依頼によるボランティアグルーブが作成した拡大教科書が支給されますが、ただし、小中学部の児童生徒用の国語、算数のみです。
それもカラーは全く無く、白黒のみです。
普通学級に通う弱視児はその恩恵に与ることはなく拡大教科書については、私達のようなボランティアの手に委ねられているのが実情です。
その学習環境は決して十分とは言えません。
弱視児の拡大教科書を作成するにあたり、行政レベルでも、困難な障害が多く、なかなか理解が得られないのが残念です。
■教科書の早期の入手の件■拡大教科書の弱視児への送料の件■拡大教科書の作成にあたっての実費の本人負担の件等々様々な障害が上げられます。
私としましては、そこでボランティア活動に参加して下さる人達を一人でも多く増やして、一人でも多くの弱視児の為に充実した環境を整えられるよう、努力しているところです。
カラーコピー機を無償で使わせて下さる富士ゼロックスの協力や、大阪府の社会福祉協議会やボランティセンターなどの呼びかけで、大阪府下では東掟川、東住吉、天王寺、泉佐野市の依頼で講習会を開き、4つの拡大写本のボランティアグループが誕生しました。
残念ながら、兵庫県下ではたんぽぽ会の他には灘生協の支援による1グループのみです。
これからも、盲学校や弱視学級設置校の呆護者や関係者とのつながりを深め、その輪が広がることを願って止みません。
拡大写本の作成と一口こ言っても人には様々な個性や癖もあり、1冊を完成させるまでには、文字の書体、形、正確性などの訓練や努力や、依頼者への納期など、いろんなプレッシャーや苦労もありますが、障害者の人達が担われている障害の重みと、私達を必要としてくれる熱い期待を想い前進あるのみと肝に銘じております。

本分終了