以下本文

アイライト通信 No.4
発行:2001.1

・視覚障害リハビリテーション講習会(第2回) 報告
・第3回 視覚障害リハビリテーション講習会報告
・岡山大学ロービジョンクリニック」と「岡山県視覚障害を考える会」とでの取り組み
・全国視覚障害者インターネット接続支援連絡会(ASV)について

     

いよいよ2001年、21世紀になりました。
20世紀は当協会としては厳しい状況の中2年弱の活動でしたが、多くの方々のサポートを得て歩むことができました。
今年度は視覚障害リハビリテーションの多くのニーズにこたえるべく、いかにパワーアップした活動体制を作れるかが課題としてきました。
木口振興財団の支援を受けた、視覚障害者支援ルームの機器整備もできました。
白杖、拡大読書器、音声機器、単眼鏡、ルーペ、パソコン等の整備を進めています。
社会福祉・医療事業団の支援を受けた視覚障害リハビリテーション講習会事業も現在、4つの講習会を終了しました。
中山視覚障害者福祉財団主催の視覚障害者ウインドウズ・インターネット講習会を日本ライトハウス、ASV(全国視覚障害者インターネット接続支援連絡会)等の方々とともに実施することができました。
今年も他の視覚障害福祉関係団体、視覚障害ボランティア団体との連携のもとに視覚障害者サポート活動を充実させていきたいと思っています。
今年も、いや今世紀も今まで同様、神戸アイラィト協会の活動へのご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

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視覚障害リハビリテーション講習会(第2回) 報告

8月26日(土)に神戸市立こうべ市民福祉交流センターで視覚障害リハビリテーション講習会(第2回)を実施しました。
午前中に弱視シミュレーションレンズをつけての疑似体験を実施しました。
階段や廊下の歩行、いろいろな手作業などを経験しました。
午後は、ASV(全国視覚障害者インターネット接続支援連絡会)のコーディネーター木村文子さんによる活動報告の後、岡山大学眼科の守本典子先生による講演会を行いました。
岡山県における視覚障害リハビリテーションの取り組みについていろいろと話をしていただきました。
すぐ隣の県で視覚障害リハビリテーションに携わる者にとって、関心を寄せる者にとって多くの事を学習させていただいた講演でした。

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第3回 視覚障害リハビリテーション講習会報告

副代表 新阜義弘

2000年11月25日(土)に神戸市灘区の神戸市立東部在宅障害者福祉センターにおいて、第3回視覚障害リハビリテーション講習会を開催しました。
午前中には、パソコン利用によるインターネット体験講習会を視覚障害者、晴眼者合わせて10名の方の参加を得て行われました。
これはASV(全国視覚障害者インターネット接続支援連絡会)の全面的協力のもとに実施しました。
初めてインターネットを経験する方から、また講習を受けたいとの声が出ていました。
午後は、埼玉県所沢市にある国立身体障害者リハビリテーションセンターの乙川(おとがわ〉先生に講演をしていただきました。
視覚障害者の生活がコンピューターの出現によりどのように変化したかをわかりやすくお話ししていただきました。
特に突如コンピューターが作動しなくなったときのお話しは、参加者の方にとって大いに参考になったようです。
神戸アイライト協会の講習会も会を重ねるごとに、視覚障害者の方、その家族やボランティアの方、医療関係者、リハビリ関係者等に興味関心をもっていただいているようで、準備する側としてはとてもうれしいことです。
ぜひ、こうした活動を継続発展させて行きたいものです。
皆様のご理解、ご支援をお願い申し上げます。

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「岡山大学ロービジョンクリニック」と「岡山県視覚障害を考える会」とでの取り組み

岡山大学眼科 守本典子

1997年8月、岡山大学眼科外来にロービジョンクリニックを開設しましたら 内容は、視覚補助具の選定、社会的福祉資源.関連諸機関および団体・リハビリテーションなどに関する情報提供各種診断書の作成、進路相談などと多彩です。
元来はこのクリニックの役割と考えていなかった病気に関する説明に予想外の時間をとられますが、心理的効果が大きいことから、今では欠くことのできない業務となっています。
心理的に支えきれない部分は、後述する「岡山県視覚障害を考える会」というボランティア団体の活動として行っている「目の不自由な方と家族の集い‐どうしてますか交流会」の方で、参加された方々とともに、ゆっくりと進めています。
患者さんの中には、交流会に参加したことをきっかけに、会員として生き生きとボランティア活動をされるようになった方もおられます。
パソコンを習いたい方には、インストラクターをしているボランティア会員を紹介します。
交流会の会場でもパソコンを体験でき、口コミでパソコンを習い始めた方が交流会に参加されるなど、クリニックと交流会とパソコパ舌動が人を通して有機的に結びつき、徐々に広がりを見せています。
「岡曲具視覚障害を考える会」は1997年11月に中途視覚障害者を対象とした勉強会兼ボランティア団体として発足し、2000年5月には対象を視覚障害児まで広げ、視覚障害全般を考える名称に改めました。
当初、会員の中心は医療関係者と盲学校教職員でしたが、現在では更に職域が広がり、また純粋かなボランティアも増えています。
活動は、主に会員を対象とする研修会と会報(各4回/年程度)、一般の方を対象とした講演会と講習会(各1回/年)であり、全国から選りすぐりの講師をお招きする一方、患者さんにもご協力いただいてお話を聞く会を催したり、県内の視覚障害関係のボランティア団体との交流を深める活動も始めています。
会報では福祉関係の資料、関連団体の紹介記事などを掲載し、知識の普及を図っています。
今後ますます医療と教育と福祉とボランティアが連携を深められるよう、”人と人を結びつける活動”を続けていきたいと思います。

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全国視覚障害者インターネット接続支援連絡会(ASV)について

私たちは、インターネットを操作したい視力障害者(ユーザー)の自宅へ出張し、その初期設定や音声ソフトの導入等を、フォローするボランティア活動を全国的に展開しています。
出動の際の主な活動内容は、・WINDOWS画面読み込み用音声ソフトの導入・ホームページリーダーの導入・プロバイダーへの接続・テンキー操作の説明などなどで、パソコンの使い方を一から指導するパソコンボランティアとは、活動の内容が大きく異なります。
現在全国で60名余が活動していますが、その殆どはホームページのボランティア募集に応じて下さった方々で、一応パソコンに関しては、腕に覚え有りの面々です。
しかし、日常使ったことの無いソフトの導入に出動するわけですから、それらのソフトに習熟する為の講習会や研修会への参加は必須です。
「画面は見ない」「マウスは使わない」という研修に、まずカルチャーショックを受けます。
また、活動が、視覚障害者の自宅への出動という形態のため、ボランティア自身の詳細な情報を必要としますので、入会時にはアンケートに答えて戴くことになっています。
出動は、二人一組が原則です。
相当の実力者揃いと自負していますが、時には初対面の機械の前で原因不明のトラブルに、固まってしまう場面もあります。
しかし、ユーザーから初メールが届いたり、「毎日、自分で新聞が読めるなんて夢のようだ」などの言葉を支えに、また次の出動に取り組んでいます。
皆様、ぜひ一度ASVのホームページを、のぞいてみて下さい。
ASVコーディネーター 木村文子

本分終了