以下本文
神戸アイライト通信 NO.14
発行:2006.3
・ITサポート、グッズ紹介の第2拠点を開設します グッズ紹介の第2拠点を開設します
・これからの活動にあたって
・視覚障害被災者の10年
~阪神・淡路大震災メモリアルイベントの記録~
・はじめての合同会議を終えて
・アイライトコンサート
・「コンサートで思うこと
ITサポート、グッズ紹介の第2拠点を開設します
神戸アイライト協会の活動も7年目が終わろうとしています。
「視覚障害被災者の10年」出版と販売、視覚障害関係ボランティア団体との連携拠点準備、訪問型歩行訓練士派遣事業実施への尽力、ガイドボランティア活動の展開、通所施設アイライト新神戸の充実、多くの行事の開催(アイライトフェア、アイライトコンサートほか)、訪問サポート、電話や来所での相談など多くのことに取り組んできました。
もっとも忙しかった1年であったと思います。
多くの方のご協力とご支援でのりきってくることができました。
いつもながら、あらためて多大な感謝をしたいと思います。
そして、この1年とりくんだもうひとつのことがあります。
それは新しいITサポート拠点「アイライト・ファーム」(仮称)の設立準備です。
そこでは6年間開催してきたパソコン講習会はもちろん、マンツーマンのパソコン指導、自習や教え合い、サポートスタッフやボランティアの養成なども実施する予定です。
またパソコンソフトや便利グッズの展示、紹介(一部販売)もできればと考えています。
そして点訳ボランティアグループ連絡会、兵庫県伴走者協会などと隣接して、密接な連携のとれる拠点にもなる予定です。
4月開設をめざして最後の努力をしています。
次号では詳しくご紹介できると思います。
私たちが7年間訴えてきた兵庫県での訪問型歩行訓練士派遣事業の開始について、兵庫県とも連絡をとっています。
具体的にどういう展開になるかわかりませんが、地域の移動支援が前進することを期待しています。
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これからの活動にあたって
神戸アイライト協会 理事長 新阜 義弘
春を待つ思いが、多くの人々の胸に膨らんでいる時期です。
皆様には、平素から当協会にご支援・ご協力をいただきありがとうございます。
神戸アイライト協会は、協会設立から7周年、NPO法人(特定非営利活動法人)として4年の活動の時間が経過しました。
こうして法人となり、神戸市をはじめ兵庫県各地で視覚障害者リハビリテーションの実践の一翼を担わせていただいているのも関係者、利用者、スタッフ、ボランティアの皆様のご理解ご協力の賜と深く感謝いたしております。
私たちは、次の段階として小規模社会福祉法人化を目指していましたが、福祉施策の見直しの中で、その実現は困難になりました。
パソコンによる活動支援の拠点づくりも何とかめどはたっていますが、どのようになるか不透明です。
訪問歩行訓練事業も、兵庫県に訴えて検討していただき、県内の視覚障害者関係団体と協同しながら行うところからスタートできればと考えています。
種をまいてよい方向で育つようにと願う段階です。
ユーザーに対してより総合的なサポートセンターができるように体制づくりと拠点づくりに着手しています。
それは当協会だけでは難しいので関係団体と連携してさらによりよい形での実現をめざします。
昨年度は、確実な前進はありましたが、思いの外に、自信に欠けた感じを持ちました。
これも私の責任です。
ただ、地域社会に向けての視覚障害の様々な課題や話題の発信と責任と役割が少しずつでも深く浸透していっているという実感はあります。
それは、震災メモリアルイベントの記録本の発行で全国の多くの人に、その存在がわかってもらえたこと。
アイライト新神戸の通所メンバーや講師の先生方やボランティアの皆さんによるアイライトコンサートなどの盛り上がりのあるコンサート活動。
ガイドヘルパーやガイドボランティアの養成が増えていること等をみていきますとその活動の意義はとても大きいといえます。
私達は、これからは、設立当初の[ユーザーへの総合的な全人的サポート]を原点に従来通りの活動を維持していきます。
パソコン講習会や歩行訓練、ガイド養成等も行ってまいります。
こうした神戸アイライト協会の活動を少しずつ発展させてまいります。
そして、思い切った飛躍を行うための先駆的なモデル事業も提案していきたいと考えています。
今年は、総会もできるだけたくさんの方と討議し、気持ちを通じていきたいと思います。
どうぞ神戸アイライト協会をご支援下さい。
視覚障害被災者の10年
~阪神・淡路大震災メモリアルイベントの記録~
一昨年(2004年)12月に神戸で開催した震災メモリアルイベントの記録を昨年9月に出版いたしました。
新聞各紙、ラジオ局でも大きく取り上げていただき、各関係団体様、また個人様の口コミによる広報など多方面より温かいご支援を賜わりまして、早期に初版の8割を販売することができました。
編集・印刷にご協力くださいました株式会社大活字様を通しては全国の図書館へ販売・納本いただいております。
また、財団法人 中山視覚障害者福祉財団様のご援助を頂戴し、兵庫県内自治体及び神戸市各区(出張所等も含む)の障害福祉担当部様へ、合計100冊をお届けすることができましたこと、ここに謹んでご報告申し上げます。
今後も視覚障害者が安心して暮らせるための方策を街づくりや地域防災計画に活かしていけるよう、当協会は微力ながら努めてまいります。
3月18日(土)には神戸市立東部在宅障害者福祉センターにおいて「視覚障害被災者の11年」(メモリアルイベント2006)も開催いたします。
これからも皆様の引き続いての心強いご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。
(書籍担当 和田 眞由美)
視覚障害被災者の10年 ~阪神・淡路大震災メモリアルイベントの記録~ 第1章 メモリアルイベントをふりかえって ~報告と提言~ 第2章 視覚障害被災者5名の体験発表 第3章 基調講演 川越利信氏(元ハビー代表) 「被災・支援経験を語り継ごう」 基調報告 久保明夫氏 「視覚障害被災者1000人アンケートから」 第4章 パネルディスカッション 付録 CDーROM ・本書内容(テキスト形式) ・オリジナル曲「勇気」 ・IBMホームページ・リーダー バージョン3.01(お試し版) (「勇気」のみ音楽CDプレイヤーでも再生できます)
※他に点字版(2,000円、CDーROMなし)、ビデオ・カセットもございます。
当協会までお問い合わせください。
はじめての合同会議を終えて
山縣 祥隆 兵庫医科大学眼科 助教授
(神戸アイライト協会副理事長)
2005年9月17日?19日の3日間、神戸国際会議場において第6回日本ロービジョン学会学術総会、第14回視覚障害リハビリテーション研究発表大会合同会議を開催致しました。
この合同学会は視覚障害リハビリテーション協会会長、中村 透氏(日本盲導犬協会)と私が学会会長を務め、東京女子大学教授の小田浩一先生のご協力で実現したわけですが、天候にも恵まれ、登録者750余名という多数のご参加を得て、盛会のうちに終了いたしました。
地域の視覚リハにとって最も重要なことは、福祉、教育、医療、その他の視覚リハ関連施設、団体、個人の密接な連携です。
その意味で、会員構成も活動内容も異なる日本ロービジョン学会と視覚障害リハビリテーション協会が初めての合同学会を行ったことに最大の意義がありました。
私がこの合同会議を主催するにあたって最も気を配ったことは、どのような方が参加されても満足して頂ける解りやすい内容にすること、視覚障害者の方が不自由なく参加して頂けるような体制を整えることでした。
特に参加された視覚障害者の方々が会場内でスムースに移動ができるように神戸アイライト協会のボランティアの方々による案内ボランティアは特に好評でした。
この場をかりて、ご協力いただいた方々に心からお礼を申し上げます。
患者さんも交えて各分野の職種の異なる人々が一同に介し、患者さんの目線でものを考えることがどれだけ重要なことであるかを痛感しました。
もちろん各分野とも体制的に様々な問題点を抱えており、特に第一線でご活躍の方々には不満、不平も多いこととは思いますが、この合同学会で新しい同士を見つけられ、お互いに励まし助け合っていくことによって、日本の将来の視覚障害者リハビリテーション体制が世界に誇れるものになりますよう願って止みません。
アイライトコンサート
1月22日に第3回アイライトコンサートを実施しました。
第1回にも出演していただいた塚田まゆみさんのピアノ演奏をメインにしてのコンサートでした。
今までで一番大きな会場(兵庫県民小劇場)でしたが、大勢の方に参加していただき感謝しています。
「コンサートに出演して」黒田 小百合(アイライト新神戸メンバー)私たちは、こんな広い会場で演じたのは初めてだったのでちょっと不安があったけど、出てしまえばそんな不安なんかどこかへ行ってしまって楽しく演奏できました。
たくさんの人の拍手で、すごい充実感がありました。
次のコンサートに向けて、がんばってゆきたいと思います。
「コンサートで思うこと」
飯山 知子(協会スタッフ)
コンサートには多くの方がいろいろな形で参加してくださいました。
舞台に出られた方、会場の中のスタッフ、会場の外のスタッフ、当日は来られなくてもご協力くださった方、そしてもちろん来てくださった方々、本当にありがとうございました。
コンサートの演奏はお客様に届くものだったと思います。
感想を寄せてくださった方の感想をお聞きしてもそう感じました。
しかし、演奏だけがコンサートの舞台ではないのですね。
舞台の繋ぎの部分がとても大切に感じました。
そして当日までの準備の大切なことを。
コンサートの準備が思うように進まず大切なことまで忘れていることもありました。
コンサートに来て頂くお客様に舞台を満足していただけるか、当たり前のことで確認することもないのですが、時間に追われている内にお客様を忘れているのではと自分自身はっとすることもありました。
私自身はコンサートを思い返すのも恥ずかしいほど自分の役割を充分に果たせませんでしたが、恥ずかしく思うことよりも大事なことを忘れずにこれからも皆と一緒に頑張っていきたいと思います。
本分終了