以下本文
アイライト通信 No.11
発行:2004.8
・旗塚事務所に移転しました!
・オランダで国際網膜学会
・目と目の病気についての話(2) 「いくつか目の病気について」
旗塚事務所に移転しました!
4月1日より旗塚事務所に移転しました。
3月までの熊内事務所より南東へ徒歩5分、ホイットニー・クモチという3階建てマンションの1階部分です。
すぐ近くに旗塚地域福祉センターがあり、ヨーガや音楽活動などで使わせていただいています。
お近くに来られたときは、お立ち寄り下さい。
電話番号は同じですが、FAX、メールアドレス、URLも変更しました。
ご注意下さい。
神戸アイライト協会の目標です!!
協会も5年経過しました。
神戸アイライト協会の目標を再確認します。
現在の事業、ネットワークを充実させながら、訪問リハビリテーションの確立(訪問歩行訓練士の配置)をめざします。
協会としての具体的努力目標としては小規模社会福祉法人を設立して、事業・職員を少しずつ充実させます。
最終的に訪問リハビリテーションも可能な専門スタッフ(歩行訓練士等)が、生活の心配なく仕事にとりくめる環境が必要だと考えています。
また、視覚障害者支援にとりくんでいるボランティアと連携したセンター的機能がある施設も必要と考えています。
神戸アイライト協会の目標→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
・通所、講習、相談等の充実(視覚障害者支援の地域センター的機能)
・優秀なボランティア、ガイドヘルパーの育成とネットワーキング
・訪問リハビリテーションの確立―兵庫県内に(訪問)歩行訓練士の配置
努力目標
・小規模社会福祉法人設立のための資金等準備・小規模社会福祉法人設立(常勤職員拡充)・歩行訓練士配置(訪問リハビリテーション)予算確保
第2回 アイライトコンサート無事終了!
昨年10月に塚田まゆみさんのピアノ演奏をメインに第1回のアイライトコンサートを開催しました。
この4月25日に、第2回アイライトコンサートを前川裕美さんをメインに開催しました。
会場は第1回と同じく、神戸市立生田文化会館でした。
予想以上に多くの方に集まっていただき、大盛況のうちに無事終了いたしました。
最初にリコーダーのアイライトアンサンブルが2曲演奏しました。
休憩後、前川さんのステージで、ボサノバメドレーに続いて、自ら詞をつけたディズニーナンバーを歌いました。
自らの体験をこめた言葉に多くの人が涙ぐんでいました。
後半はお母様の詞で裕美さんが作曲した感動的な「ねがい」を含めて、自ら作曲したオリジナルナンバーでした。
ご協力いただいた関係者、ボランティアの方々に大変感謝しております。
ピアノ、ベース、ドラムスをバックに歌う前川さん(上、右)ピアノソロを弾く前川さん(下)アイライトアンサンブル(リコーダーと打楽器、ピアノ)
オランダで国際網膜学会
6月28日から、7月5日まで国際網膜学会に事務局の古淵さん、通所施設「アイライト新神戸」メンバーの高尾さん、藤本さんが協会の会員の方を含む有志の方々と参加しました。
開催地はオランダのノルドバイクで、大会参加までの期間はオランダと隣国ベルギーの観光も楽しめたようです。
大会では4月のアイライトコンサートでも活躍した前川裕美さんの歌声も響いたようで、とても楽しい1週間のようでした。
なお2年後はブラジルだそうです。
(以下は参加者の藤本寿子さんのメッセージです)
RI世界大会 ベルギー・オランダツアーに参加して
私は網膜色素変性症ではありませんが、今回このツア-のお話があり参加させていただきました。
小学生の頃から夢だったヨ-ロッパ旅行についに行くことができました。
中でも私が切望していた「アンネ・フランクハウスを見学できたことは、この私にとって大きな財産であり、生涯忘れることのない思い出となるでしょう。
有り難うございました。
(4月から英会話の勉強を始めました。
次の旅行の時は英語でしゃべりますよ。)
目と目の病気についての話(2) 「いくつか目の病気について」
(兵庫医科大学)
前回は目の見える仕組みについてお話ししましたので,今回はいくつか代表的な目の病気について簡単に説明したいと思います.
1)加齢性黄斑症:
欧米に比べて頻度は少ないですが,近年の高齢者の視力低下の主要原因疾患のひとつとして確実に増加しています.
60才以上の高齢の男性に多く,脈絡膜からの新生血管による黄斑部の出血と浮腫(むくみ)のために中心暗点を自覚します.
両眼とも病気が現れる確立は約40%で,進行はゆっくりです.
ただし進行しても,適切に治療すれば全盲になることはありません.
治療法は進んできていますが,まだ完治は難しい疾患です.
2) 網膜色素変性症:
前回,説明しました「光覚」を担当する杆体細胞が障害されていく疾患で,若い頃から夜盲を訴えます.
進行すると周辺部が見えなくなり,外出歩行が極めて困難になりますが,中心の視野は最後まで残されるため読み書きは可能です.
しかし視野の狭窄が進むと中心部も障害されて視力も低下してきます.
はっきりとしたデータはないのですが,完全に失明する人の割合は少ないとされています.
現在,有効な治療法がありませんが,実験的に可視光線の中には網膜に有害な成分も含まれていますので,屋外では遮光眼鏡の装用が勧められます.
3) 糖尿病網膜症
生活習慣病である糖尿病を未治療で放置すると網膜に重大な障害が現れます.
現在,我が国で推定約650万人の患者さんがいるとされ,毎年約3000人?4000人が失明するとされています.
高血糖では全身の毛細血管が障害されます.
病気の初期には網膜に小さな出血が見られる程度ですが,進行すると出血は数が増え,大きくなり,浮腫(むくみ)も現れます.
さらに進行すると網膜に新生血管が現れ,そこから眼部に出血を繰り返し,最後には網膜は堅い線維性の増殖組織で覆われて失明します.
末期には視神経も障害されたり,緑内障を併発し,失明を早めます.
この病気が最も怖いのは,初期には血糖をコントロールするだけで網膜症は治りますが,ある時点を過ぎれば,いくら血糖をコントロールしても,網膜だけどんどん悪くなっていくことです.
そのため新生血管が出現する兆候が現れたら,レーザー治療が開始されます.
4)緑内障:
目の水晶体と角膜は房水という液体で栄養されていますが.
房水は毛様体で生産され(水道),シュレム氏管(配水管)から目の外へ出ます.
この配水管が目詰まりすると,目の中に房水が貯まってきて,眼圧が上がります.
通常,眼圧は21mmHg以下ですが,これを超える眼圧が長期間,続くと,視神経が障害されて視野が欠けてきます.
この病気の一番怖いところは,病気があることを自覚しにくいことです.
その理由は,少しの眼圧上昇ではほとんど症状がないことと,片方の目の鼻側の視野から欠けてきますので,両眼を開けていると気付かないことによります.
通常,中心部の視野はは最後まで残ります.
最近では眼圧を下げる薬品や手術が発達していますので,早期発見,早期治療が大切です.
協会も発足から5年過ぎ、6年目に入りました。
前だけを見て進んできた5年だった思います。
いろいろ振り返っています。
言い方を変えると、協会の存在を広報した5年間だったと思います。
そして多くの人に出会い、支えられ、励まされての5年間でした。
6年目からは、次のステップかと思っています。
目標実現のための実務の時期と考えています。
はたから見ると、少し地味になるかもしれません。
ゆっくりでも前を向いて歩んでいきたいと思います。
本分終了