以下本文

アイライト通信 No.8
発行:2003.3

・アイライト福祉フェアを終えて
・第12回国際網膜世界会議に参加して
・ロービジョン学会情報
・はじめまして
・あなたも、サポートボランティアを始めませんか?

     

神戸アイライト協会は昨年、兵庫県に特定非営利活動法人(NPO法人)の認証申請を提出していましたが、この2月3日に認証を受けました。
2月中に法務局への登記も完了し、今後は法人としての事務処理を行います。
これをステップにさらに充実した活動展開を行っていきます。
通所サポートも充実させるべく小規模適所訓練施設「アイライト新神戸」ではメンバーの福祉教育への講師派遣、講習会等でのサポート活動への参加などを展開していきます。
通所メンバーは協会の活動に積極的に参加していただくことになります。
中山財団パソコン講習会に加え、独自の講習会も実施予定です。
他の多くの視覚障害サポート団体、関係者とのネットワーキングも引き続き進めています。
これからも神戸アイライト協会の活動へのご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

2月16日に神戸市中央区のクリスタルホール (神戸クリスタルタワー3F)でHYOGONコミュニケーション祭2003が開催されました。
これはNPO・NGOの活動を社会に発信しようというイベントで、活動ブースでの紹介や広報コンテストが行われました。
いくつかの部門に応募していましたが、そのうちのビデオ部門で優秀賞、そして全体から選ばれるグランプリを獲得しました。
撮影・編集の石川明さんに大感謝です。

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アイライト福祉フェアを終えて

理事長 新阜義弘

02年11月24日(日)に神戸市立東部在宅障害者福祉センターで第1回の視覚障害者への総合的なりハビリテーションを目的とした福祉フェアを行いました。
これは、神戸アイライト協会が地域の視覚障害者のサポートステーションとしての役割を担っていくという設立目的を現実化する行事として計画されました。
午前中は視覚障害者に関係することの総合的相談会を行いました。
パソコン関係・点訳関係.スポーツ関係・歩行関係・ピアカウンセリング関係のボランティア団体、個人の皆様のご協力で有意義な相談会となっていました。
相談者も真剣に話を聞いたり、対応する各団体も熱心に説明をされていました。
午後は、アイライト新神戸の利用者のミニコンサート、日本ライトハウスの岩橋会長の「アジア太平洋地域の視覚障害者の動向」と題した講演会と機器展示や団体関係展示を行いました。
ピアノや声楽の時間は、とても和やかで楽しいひと時でした。
講演会は国際的な情報がわかりやすい内容のお話でした。
この福祉フェアに午前、午後を通じて、100人近くの人が参加していただきました。
最近こうした催し物は、目新しくありません。
当協会では、このような会を内容を充実させてこれからも主催していきたいと考えています。
視覚障害者を総合的にサポートすることで社会参加の促進、バリアフリー社会の実現、生活の質的な向上等、地域で支えていく団体、拠点を目指した活動を続けていきたいと考えています。
ご支援、ご協力をあらためてお願い申し上げます。

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第12回国際網膜世界会議に参加して

神戸アイライト協会 介護福祉士 古淵恵子

2002年8月、アジア・オセアニアで初めて国際網膜世界会議が開催された。
主催は日本網膜色素変性症協会、参加者総数は1700人を超え、国内33社から機器展示があった。
医療面からは最新の治療方法、臨床実験について、リハビリ面からはローピジョン、生活訓練、就労状況などの講演があった。
網膜へ薬品ではなく遺伝子を投与する遣伝子治療(ラットの実験では80%が網膜変性を免れた)、ヒトのどの部分にでもなることのできる幹細胞を使っての網膜細胞移植、人工内耳の普及で急速に膨らむ人工網膜への期待、まだまだ少ない視覚障害者のIT人口(日本では30人に1人)を増やしていく必要性、携帯電話の多種多様の機能の中で視覚障害者向けにどこまで開発されるかなど興味深い話題があった。
また歩行ガイドロボットの実演もおもしろかった。
夜には大ホールで全体夕食会があり、多数の参加者は交流を深めた。
地元高校のブラスバンド演奏や阿波踊りなど大盛況だった。
世界からまた日本各地からの参加者たちは近隣のディズニーランド、ディズニーシーへの観光も兼ねてこの大会が楽しいものになっただろう。
2004年オランダでの再会を約束して幕張の大会は無事終わった。
国際網膜協会会長の講演ではその活動が紹介された。
年間2500万ドルを調達し研究に投資していること、研究の資金は視覚障害者への福祉と同様に必要だと政治家に認識させること、研究に患者が自発的に協力すること、今後の展望として資金を増やすため研究を大学から製薬研究室へ移す、臨床実験に必要な基準の患者を全国組織で準備する、新しい組織を国際間で支援し、全ての患者とその家族が正しい情報と医療システムを利用できるようにする、などである。
他の病気の患者組織には類を見ない支援、患者、医師が三位一体の団結と協力で活躍しているこの世界大会、自分にできることをひとつずつ確かめながら応援していきたいと思う。

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ロービジョン学会情報

山縣祥隆(兵庫医科大学眼科)

日本ロービジョン学会は2000年4月9日に設立され,もうすぐ3年目に入ろうとしています。
学会会員は現在,595名で,内訳は眼科医200名,視能訓練士180名,教育関係者50名,福祉関係34名,他の専門職(OT,PTなど)32名,他科医師13名、保健婦・看護士9名,等々で,徐々に大きな学会になってきています。
さて,日本網膜色素変性症協会が,釜本美佐子会長のもとに第12回国際網膜世界会議を開催され,1789名という過去最高の参加を得て,成功裏に修了したことはご存じかと思います。
実は日本ロービジョン学会でも,2005年に国際ローピジョン学会を日本が開催すべく,誘致活動をしてきましたが,残念ながらイギリスで開催されることに決定されました。
国際学会の主催は,福祉先進国からの参加によって日本の視覚障害リハピリテーションの発展に大きな進歩をもたらすと思われ,その意味では本当に残念ですが,実際に諸外国と日本との福祉に関する諸事情の違い,あるいはローピジョン学会の規模や活動内容を考えると,まだまだ日本が国際ロービジョン学会を主催するのは時期早尚かも知れないとは思います。
そこで日本ローピジョン学会が実力をつけるためにもと考え,2004年12月6日~8日までの3日間,香港眼科学会のプレ学会として,香港で第 1 回アジアローピジョン学会を開くことになりました.昨年の10月 20 日に大阪のロイヤルホテルで,香港のMrs.Grace chan,MrJoseph Choにお会いして大筋を決めましたが,今回は日本は協力する形で行い,次々回の2008年の国際ロービジョン学会が実現した際には逆に香港の協力を得る形で行うことになりました。
学会の準備には私と国リハの簗島謙次先生が参加します。
国際学会が開催されることになれば,ほぼ100%,神戸で開催されることになります。
日本ロービジョン学会の理事としては日本のロービジョン全体の発展を考えなければなりませんが,地元の私としては,神戸アイライト協会の森さんと協力して,県下の視覚障害関連団体,施設,ボランティアの方々との連携を深めるためにロービジョンネットワーク作りに着手したいと考えています。
(03年1月29日)

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はじめまして

杉本 昌昭

こんにちは、杉本と言います。
昨年10月より神戸アイライト協会(以下 アイライトと呼称)にお世話になっております。
視力障害者の一年生で、まだ何も分かっていませんのでよろしくお願い致します。
私は40才代に目がおかしくなり、歳月の経過とともに視力は徐々に衰え最近では歩行がしにくくなって来ました。
このため白い杖を持とうと考え、インターネットで杖の使い方を探しました。
たまたま国立神戸視力障害センターで歩行訓練があること知り、訓練の受講を申し込んだところ、幸運にも受けられることになりました。
このセンターにアイライトの森先生が外部講師として来ておられアイライトを知るところとなりました。
私は昨年の春に目の関係もあって自営業を止めていましたので、センターの訓練が終了した後どうするかを考えておりました。
まだ少し目が使えるので現場は無理と思っていましたが自宅で図書を作成しメールで支援するボランティアが出来ないものか森先生にご相談したところ、「まずは来ませんか」とのお誘いを受けました。
最初の通所日、早めにアイライトに着いた私は驚きました。
来るは来るはスタッフ・ボランティアの方々皆さんが失礼ながら「メス」ばかり。
これほどの「メス」の生命体に遭遇したのは初めてでした。
通所生のオスは盲導犬を含めて3人というか3匹だけだったのです。
何十年、技術幟という男社会の中で仕事をし、家庭もオスとメスの両機能を持つ女房とバカオスに属する息子達の5人で生きて来た私にとって、これは天国のようであり地獄でもあったのです。
ここは私が60年生きて来たノウハウは多分通用しないであろうと覚悟しました。
しかしながら、早いものでお世話になって3ヶ月、女性の中で何とか生き伸びました。
無神論者の私ですが、これだけは神のご加護に感謝したいと思います。
アイライトは通所の施設が出来てまだ10ヶ月だそうですが、私のアイライトの印象は「明るい」、「楽しい」の2点です。
一年生として色々と勉強をさせて戴いています。
今後、先生方やスタッフの皆さんのご努力でアイライトの拡充が計られていくでしょうが厳しい社会情勢の中、簡単でないことは容易に想像が出来ます。
通所生も出来る限りの協力をし、より充実したアイライトになるよう努力したいと思っていますのでよろしくお願いします。
以上

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あなたも、サポートボランティアを始めませんか?

全国視覚障害者インターネット接続支援連絡会(ASV)では、この度「視覚障害者へのパソコンサポート入門」を出版致しました。
情報障害と言われる視覚障害者にとって、パソコンはいまや必須のアイテムとなって居ります。
特にインターネットの普及は、これまで人を介して得ていた情報を、必要な時に自らの手で得られるというメリットがあります。
ただ、音声ソフトを駆使してキーボードのみでパソコンを操作するには、相当の努力が必要であり、周囲のちょっとしたフォローが上達のポイントとなります。
しかし、現状では、視覚障害者をサポートできるボランティアの数は極めて限られています。
私どもは、過去5年間にわたって視覚障害者のパソコンサポートに関わって参りました。
その実績を踏まえ、蓄積したノウハウを纏めて、一人でも多くの人がサポートボランティアとして活動される一助になればとの思いから、この本を出版致しました。
また実際に体験していただけるよう、音声ソフトお試し版のCDーROMも添付しております。
これを導入していただければ、直ちにパソコンは喋り出します。
・視覚障害関連ボランティアの皆さん・Webマスターの皆さん・視覚障害者の家族や友人の皆さん・パソコンショップの皆さん・福祉、ITの第一線で活躍中の皆さん、どうぞこの本を活用してください。
お問い合わせはASVまたは神戸アイライト協会へどうぞ。

本分終了