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神戸アイライト通信 NO.37
発行:2017年8月


アイライト新神戸15周年! 中山記念会館移転10周年!

理事長  森 一成

今年2017年4月1日に、神戸アイライト協会は通所施設「アイライト新神戸」開設15周年、中山記念会館移転10周年を迎えました。その記念で二つのミニコンサートをしていただきました。一つは「アイライト新神戸」開設からの通所メンバーである高尾 美智子(たかお みちこ)さんのピアノ弾き語りコンサート。もう一つは中山記念会館に移転してから出会った赤堀 浩敬(あかほり ひろのり)さんたちのアイ・イヤー・バンドによる沖縄ソングのコンサート。直前の案内でしたが、会場は約70名の超満員。多くの利用者の皆さん、関係者・支援者の皆さんが年度初めの土曜日にもかかわらず集まっていただき胸がいっぱいになりました。
高尾さんは開設当時の一軒家施設でのエピソードを交えて、しっとりとした歌声とピアノを聴かせてくれました。アイ・イヤー・バンドは赤堀さんの爆笑トークとハッピーな沖縄ソングで会場を大いに盛り上げていただきました。出演していただいた皆さん、参加していただいた皆さん、そしてアイライト創立以来ご協力、ご支援いただいた皆さんに感謝の想いがあふれた1日となりました。
この10年、15年の歩みを糧とし皆様と力を合わせて、神戸・兵庫の視覚障害福祉の改善に進んでゆきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

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< 2016年度 まとめ >

 事務局長 和田眞由美

1.トータルサポート事業 9年目!
神戸市において常勤専任の歩行訓練士1名が配置されて2年目、訪問での歩行訓練や日常生活訓練を47名の方に、のべ176回実施した。相談内容については、初回で終わらず、継続して支援する事例が多々見られた。内容も複雑なものが増えており、複数の相談員で連携をとりながら対応、必要な場合には他機関とのネットワークを活用して、トータル的にサポートをおこなった。相談者の大部分が中高年世代であるが、20~30代の若い年代の相談が増えてきたのも昨年度の特徴であった。内容も就労、就学についての相談であり、今後の生活に大きく影響を与えるため、継続的な支援となる事例が多かった。また視覚障害に加えて知的障害、肢体不自由もある重複障害の方の対応、介助者が倒れて急遽支援が必要となった方へのサポートなど、支援の幅が広く、内容も深くなった。相談が必要な時に対応可能な体制を整えるため、現在のスタッフで最大限の対応をおこなっているが、更なるニーズの増加に対応するべく、神戸市に対して事業拡大の交渉を継続していく。

2.兵庫県保健福祉局よりご来訪!
1月には中山視覚障害者福祉財団を通じて、兵庫県保健福祉局より初めてご来訪いただき、中山記念会館には福祉機器や用具を揃えた中山ロービジョンルームがあり、そこには専門相談員・歩行訓練士・音声パソコン指導担当などがいて、相談を初めとする視覚障害者へのサポート活動をおこなっていることを実際にご覧いただき、知っていただくことができた。そして神戸市外からも寄せられる相談の増加について現状をお伝えし、無料相談継続への支援を求めた。

3.11/13(日)ロービジョンサポートフェアin三田 初開催!
三田市身体障害者福祉協議会との共催で会員の皆様、点訳や朗読のボランティアの皆様も、会場設営や誘導など終日応援をいただいた。三田市電子図書館、視覚障害者の和太鼓グループ「ひとみ太鼓」、音声パソコンのサポートをおこなう「三田ウイング」も活動紹介をしていただき、地元の活動も伝えることができた。スタッフ含めて約140名の来場者があり、音声機器や拡大読書器、白杖など、熱心に各ブースで機器に触れて説明をお聞きいただいた。今回も各新聞社、NHKラジオが案内を流してくださり、三田市周辺や大阪・奈良からもご来場者があった。今回は残念ながら参加が叶わなかったかたにも、いろんな用具やサポートがあるいうことなど知っていただく機会となった。

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道路の白線のお話

歩行訓練士 住吉 葉月

 太陽の熱を肌にジリジリ感じる季節になってきました。日陰で信号待ちの時、吹き抜ける風はヒヤリと心地よく、ホッとするひと時です。
今回は道路上にある白線のお話です。車道と歩道を区切ったりするあの白線です。若い女性と歩行訓練をしている時のことです。急激に視力が低下し、視覚で確認するのは難しい状態です。白杖を持つのも初めてで、一人で外に出るのは怖いけど、家族の為に頑張る姿を見せたいと一念発起して歩行訓練を始めました。
練習場所は広い歩道で、中央に白線がひいてあり、車道に近い側が自転車用、建物に近い側が歩行者用と区切られています。最初は建物側の植え込み、金属のフェンスなど、白杖で伝いながら歩き順調です。そのうちに伝って歩くのに使えるものがほとんどない場所になり、さてどうしようか、とりあえず何も伝わず歩いてみました。フリースタイル歩行です。
 不思議なことが起こります。たまたま中央の白線の上に足が乗ったのですが、その後ぶれることなく、その白線の上をすーっと歩いていくのです。何度か繰り返しましたが、やはり白線の上をきれいに歩いていきます。
 あとでその女性に聞きました。「ひょっとして、白線が分かるの?」
「白線か何かは分からないけど、確かに盛り上がりがあるのが分かります。足裏でも、杖先でも分かるんです。それをとらえたら、楽に安心して歩けるんです」
 歩行訓練に携わって十ウン年、正直驚きました。路上の白線は、ロービジョンの方が目で「見て」使う手がかりというふうに思い込んでいたからです。まさか、数ミリの厚さの白線を足で踏んで、杖先で伝って使うことが出来るなんて?
 この仕事をしていると、「正解」なんてありません。毎回新しい発見をさせてもらえます。「こうであるはず」という常識は取っ払って、クリアーな状態になって、「さて、この環境なら何が使えそう?どうやって歩く?」と、頭をフル回転させています。訓練の後は利用者さんとともにヘトヘトになりますが「これなら歩ける!うれしい!」の言葉に、元気をいただいています。
 歩くのには向いてなさそうな道でも、何か使える手がかりが隠れているかもしれません。一人で歩いてみたい方、安全な歩き方を知りたい方、一緒に手がかりを探してみませんか。

☆神戸市に常勤専任の歩行訓練士が配置され、訪問での歩行訓練ができるようになりました。神戸市在住の方はもちろん、神戸市に通勤通学の方も対象です。白杖歩行以外にも、日常生活動作なども相談可能です。ぜひご利用ください。

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認定NPO法人への取り組み ご報告

                       事務局長 和田眞由美

皆様の温かいご支援を受けて、かねてより認定NPO法人申請への準備を進めて参りました。昨年11月に所轄庁である神戸市へ申請し、追加書類の提出、事業の説明、実地調査へと進みましたが、残念ながらもう1歩のところで叶いませんでした。私たちの活動内容、そして多くのご支援をいただいていることについては高く評価いただきました。不備はあらためて、またチャレンジいたします! 引き続きましてのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

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神戸アイセンター 12月オープン予定!

いよいよ「神戸アイセンター」が神戸市中央区にオープンします! iPS細胞を使った網膜再生医療技術の研究・開発に取り組んでおられる高橋政代先生が永く温められていた構想で、研究と治療とロービジョンケアがおこなえる施設になります。見えにくくなったら、まずは眼科へ! そこから必要な方はロービジョンケアに、なるべく早く繋いでいただく。病院の中でロービジョンケアの入り口に出会えることで悩み苦しむ時間が少しでも軽減できればと願っています。そして多くの患者様が相談窓口に繋がってくださることを期待します。神戸アイセンターは入り口を担われ、そのあとは専門相談員や歩行訓練士のいる各施設などへと繋がっていきます。神戸アイライト協会も積み上げてきたノウハウを活かし、ネットワーク団体や各機関とも連携しながら対応して参ります。

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【 編集後記 】

「買ってきました!」と元気に報告にきてくれた男性。お店への経路を歩行訓練で 何度も練習して、今日、初めて一人で牛丼を買ってきたとのこと!見えていれば何てことないことでも、見えにくくなった方にとっては大きな冒険です。自信に満ち溢れた笑顔に心から嬉しくなりました。1歩を踏み出すことは、とても勇気のいることです。外に出たい、歩きたいと歩行訓練に励む女性は、その想いを詠んでくださいました。「 満開の 桜に思いを はせながら 前へと進む 歩行訓練 」「白杖は 命を守る 魔法の杖 いつも一緒の 大親友」。神戸市より歩行訓練士1名分の予算がつき、訪問での歩行訓練が出来るようになって3年目。まだまだ、もっともっと出来るように!

(和田)

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