以下本文

神戸アイライト通信  NO.27
発行:2012年8月

・移転5周年、リニューアルオープンしました!
・ロービジョン、最近の話題
・NPO法人と認定NPO法人
・中山ロービジョンルームのご案内

◆ 移転5周年、リニューアルオープンしました!

理事長  森 一成

 2012年3月で中山記念会館に移転して5周年となりました。そして5月から会館内の協会施設を一新しました。相談対応で重要な中山ロービジョンルームを1階に、通所施設も各施設の状況に応じて新しい階に移動しました。また歩行訓練士・社会福祉士、看護師、介護福祉士の資格を持つスタッフも加わり新しい事業展開を歩み始めました。眼科とも連携した相談事業、パソコン・歩行指導などの視覚障害リハビリテーション、通所施設などの各事業も利用者が増えています。特に相談事業と地域活動支援センターの安定的継続は地域にとって必須の懸案です。そして相談の延長上の視覚障害リハビリテーションの充実も重要課題です。大きな課題がいくつもある現況ですが、行政を含む関係者の皆様と力を合わせて、地域にとってよりよい事業展開をめざしたいと思っています。

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◆ ロービジョン、最近の話題

副理事長 山縣祥隆(山縣眼科医院)

皆さん、暑い日が続きますが、お元気ですか?
眼科でロービジョンケアを行った際の診療報酬点数がついに認められました。前回の会報でも触れましたが、これまでは診療報酬点数が設定されていませんでしたので、たとえ視能訓練士さんが1時間ロービジョンケアを行っても全く病院の収益になりませんでした。収益にならないことを1時間も行うならその時間に他の検査をしなさいと、病院がロービジョンケアを行うことを認めてくれない眼科もあり、ロービジョンケアの普及の大きな妨げとなっていました。ロービジョンケアの診療報酬化はすでに10年も前から厚労省に向けて要望を繰り返していたのですが、昨年の末、日本眼科学会を通して厚生労働省へ正式に要望を提出した結果、関係者の言葉によりますと、奇跡的に実現したとのことです。
ただし問題がないわけではありません。その診療報酬を請求できる眼科医の条件が厳しく、全国で300名程度しかいません。この資格は厚生労働省の主催する研修会に出席すると得ることができますが、開催期間が水曜日から金曜日までなので、普通に勤務している眼科医に出席が難しいのです。したがって今後はこの診療報酬を算定できる資格をもった眼科医をどうやって増やしていくかが問題となっています。
もちろん、これでようやく眼科領域の中でロービジョンケアが市民権を得たということなので現時点では素直に喜びたいと思います。大袈裟に言えば「ロービジョン元年」です。これを契機にロービジョンケアがますます全国に拡がり、多くの目の見えにくい人、見えない人がその恩恵に与れるようになるよう願って止みません。

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◆ NPO法人と認定NPO法人

事務局長 和田眞由美

 神戸アイライト協会は2003年2月に特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受けて活動を続けて参りました。事業および決算報告を御覧いただきました通り5000万円規模の収支ある活動に発展いたしました。皆様方のご支援に厚く感謝申し上げます。通信でも幾度となく御報告させていただいておりますが、ニーズの広がりに対して運営基盤の弱さが否めません。そんな中、市民活動を応援するため、昨年6月の税制改正および今年4月のNPO法改正により、『 NPO法人 』から『 認定NPO法人 』へのステップアップが促進されています。

■認定NPO法人とは?
より高い税制優遇を適用するために「より客観的な基準において、高い公共性をもっている」ことを判定された法人

■認定NPO法人への支援(寄付)に対する「税制優遇」があります。
 1.個人が認定NPO法人に寄付をした時 ⇒ 「寄付金控除」を受けられます。
 2.法人が認定NPOに寄付をした時 ⇒ 損金に算入できる金額が拡充されます。
 3.相続人が認定NPO法人に相続財産を寄付した時
  ⇒ 寄付をした相続財産は相続税が非課税になります。

■認定NPO法人として認可される(公共性を証明する)ためのハードルがあります。
①パブリック・サポート・テストをクリアしていること ②メインの活動が共益的な活動でないこと ③運営組織が適正であること ④事業内容について一定の要件をみたしていること ⑤情報公開が適正であること ⑥法令違反等がないこと ⑦設立から1年以上が経過していること

この中で私たちの力では超えられないハードルが①です。①のパブリック・サポート・テストとは「市民に支援されている度合い」を計ること。クリアすれば市民に必要とされている、すなわち公益性が高い団体であると判断されます。具体的には「年3000円以上の寄付者が100人以上」であれば要件をクリアできます。社会福祉法人にならなければ受けることができなかった支援者(寄付者)に対する税制優遇が受けられるようになり、皆様方への御恩返しができるようにもなります。更なる活動の充実を図るためにも、認定NPO法人について勉強しています。
(資料参照:認定とろう!NET)

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◆ 中山ロービジョンルームのご案内

今年5月、神戸アイライト協会の中山ロービジョンルームがリニューアルオープンしました!
ルーペ、拡大読書器(据え置き型・携帯型)、単眼鏡、遮光眼鏡などの視覚補助具や、音声時計などロービジョン・視覚障害のある人に役立つ日常生活用具、便利グッズを多数とりそろえております。白杖もさまざまな種類を用意して、適切な長さや種類についてのアドバイスが可能となりました。
いずれも実際に手にとって試していただけます。

見えない、見えにくい方はもちろん、ご家族の方や視覚障害のある人を支援する方など、多くの人に知っていただきたいと思っています。
ぜひ、お気軽にご利用ください。

(歩行訓練士 住吉 葉月)

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