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アイライト通信 No.1
発行:1999.10

・視覚障害リハビリテーション(発足研修会の様子)
・兵庫医科大学眼科ロービジョン・クリニックを代表して
・マイ・チャレンジ

     

兵庫県における訪問型視覚障害リハビリテーションの充実をめざして4月から活動を開始しました。
地域における二つの谷間を少しでも埋めたいという思いが原点になっています。
一つは医療と福祉の谷間、それは重度の目の病気の患者さんに早期の視覚障害リハビリテーションを実施することが困難な現状です。
もう一つは福祉の谷間、それは地域で視覚障害リハビリテーションを受けることが兵庫県ではほとんど制度化されていない現状です。
発足して約半年、おぼつかない足取りですが、多くの人に支えられて活動を進めています。
電話相談、訪問指遣も少しずつ知られてきて、潜在的なニーズを改めて感じています。
しかしまだ十分に知られていないこともあり、まだまだ多くの潜在的ニーズに答えられていないのが現状です。
ただ量的な問題だけでなく、質的にしっかりとニーズに答えていきたいと思っています。
医療機関と連携した早期リハビリテーションも病院内で患者さんと話をさせていただいたり、パンフレットを渡していただいて患者さんにすぐにロービジョン・ケアをすることができたりという形で開始しています。
こちらもまだこれからという段階ですが、こうして少しずつ広げていきたいものです。
8月7日の視覚障害リハビリテ-ション研修会〈発足記念研修会)は当初30名を目標にしていたのですが、58名もの方が集まっていただき非常に感激いたしました。
不慣れで、いろいろ不備な点もあったのですが、最後まで熱心に参加していただき改めて心励まされました。
皆さんから頂いたパワーを種にこれからも一歩一歩、歩んでいきたいと思っています。
本当に小さな歩みですが、少しでも医療と福祉の谷間、福祉の谷間を埋めることができるように努めていきたいと考えています。
これからもご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

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視覚障害リハビリテーション(発足研修会の様子)

神戸市立東部在宅障害者福祉センター 多目的室
1999.8.7(土)
視覚障害リハビリテーション研修会(発足記念研修会)報告
副代表 新阜 義弘

8月7日 (1)午後1時30分より午後4時まで、神戸市灘区にある神戸市立東部在宅障害者福祉センターの多目的ホールにおいて、神戸アイライト協会の活動報告と講演を合わせた研修会を行いました。
参加していただいた方々は、医療関係者や盲学校関係者、視覚障害リハビリテーション関係の団体・施設・ボランティアの方、福祉機器業界の方、当事者である患者さんなどでした。
総勢58名の皆さんが来ていただいたことは、本当にありがたかったと思います。
それだけ視覚障害者の問題やりハビリテーションに関心がある人が多くおられると実感しました。
ロービジョンのこともこれからの大きな課題として考えている人が多くおられたようで驚かされました。
会の内容については、開会のあいさつと活動報告をかねて、代表の森一成が30分ほど話をしました。
その話の中では、この活動が、福祉の谷間を埋めるための地域に根差した活動でありたいということ、経済的基盤がないために不安であることなど新しい活動なので課題も抱えていることなどを話しました。
休憩を取った後に森代表が簡単に講演者の森田茂樹氏の紹介を行いました。
そして森田氏による「医療と福祉の谷間から」というテーマで講演をしていただきました。
森田氏は自らも視覚障害者の立場から、ロービジョンについて二つの大学病院でピアカウンセリング的な援助活動を行っておられます。
特に拡大鏡書機については体験的に多くの知識と情報を持っておられ、実際に拡大読書機を使った状況を見せてくれた時には、多くの人が感心したり、うなずいたりしておられ、かなりの説得力をもっていたと思いました。
森田氏の講演についての質問や意見もいくつか出ましたが、やはりロービジョンの立場から考えられるさまざまな問題や不自由さについてのものが多かったようです。
これから視覚障害リハビリテーションに関係する私たちの役割と責任の大きさを実感させられた思いでした。
最後に森代表が閉会のあいさつをして終わりましたが、これからどのような活動になるのか、まだ私たち自身も暗中模索の状態ですので、支援していただく皆さんのお力添えが必要となってまいります。
できることから、もっと言えば小さなことから少しずつでも視覚障害者のためになることを実践していきたいと考えています。
私は当日、司会進行をしていて会場の熱気や参加者の気持ちが伝わってきました。
神戸アイライト協会は、在宅で生活されている視覚障害者の方々のお宅に訪問してさまざまな援助活動を行うことを目的にしていますが、より身近に感じてもらえるような存在になりたいと思いました。
そしてリハビリテーションの考えを基本として本当に少しずつ活動していこうと決心しました。
これからの私たちの小さな活動ですが、どうかご支援をお願い致します。

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兵庫医科大学眼科ロービジョン・クリニックを代表して

兵庫医科大学眼科 山縣祥隆

兵庫医科大学眼科外来では、平成10年4月にロービジョン・クリニックを開設し、現在まで視覚障害を持つ方々のロービジョン・ケアに取り組んできました。
これまで、視覚障害者のリハビリテーション(以下、視覚リハ)のほとんどは、主にライトハウスなどの施設内やボランテイアの方々のご協力のもとで行われてきましたが、特に施設内での視覚リハの問題点は医療施設が併設されていないことです。
特に中年以降の患者さんの多くは眼科以外にも複数の臨床科を受診されていますので、病院での各種疾患の治療と平行しながら施設内で視覚リハを受けるのは極めて困難といえます。
そのような現状の中で、毎年、国立身体障害者リています。
私は平成9年12月にこの研修会を終了し、母校である兵庫医科大学病院でロービジョン・クリニックを始めました。
視覚障害者に対するロービジョンケアは、視覚補助具に代表される眼科的な側面だけではなく、視覚障害から発生し歩行困難に代表される行動学的な側面、各種法律に関連する社会的な側面、障害の受容の課程で問題となる心理的な側面など、さまざまな要素から成り立っています。
私は開設後2年を目標に兵庫医大ロービジョン・クリニックの計画を立て、初年度は主にルーペや単眼鏡、遮光眼鏡など各種視覚補助具の選定をマスターすることを目標としました。
そして2年目にあたる今年度は、眼科以外の重要な側面をカバーするために、医療社会福祉部、臨床心理部、リハビリプーション部などの院内施設、さらに福祉や視覚リハ関係の各種施設や団体、あるいは個人でボランテイア活動を行っておられる方々との連携を目標としています。
そしてその過程の中で、本協会の森 一成さんにお会いしたわけですが、将来にわたりお互いに協力し合っていこうと約束いたしました。
ロービジョン・クリニックは眼科医の力だけでは、全く成り立たちません。
公共施設や公的機関も含め、先に述べた数多くの方々との連携こそ重要です。
日本は縦割り社会と言われますが、関西にはそのような構造的欠陥を乗り越え、密な横の連携が行える土壌があると信じています。
兵庫医科大学ロービジョン・クリニックはまだスタートしたばかりですが、大学病院の利点を最大限に活用し、兵庫県の硯覚リハの拠点となるべく努力する所存ですので、今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

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マイ・チャレンジ

森井 ひとみ

わたしは生まれたときから目は悪かったのですが、何とか歩くことができる程度は見えていました。
ところが6年前ぐらいから目の調子が悪くなって、2年ぐらいで見えなくなってしまいました。
歩くのがこわくて、すぐ近くにゴミ出しlこ行くのにも勇気を振りしぼらなければならないというありさまで、時々は主人に出してもらうこともありました。
今まではバスに乗って買い物に行ったり、電車に乗って友達に会いに行ったりしていたのが、一人で歩けないはかゆさにずいぶん悔しい思いをしました。
でも落ち込んでばかりいてはいけないと思い、少しずつ家の近くで歩く練習を始めました。
ライトハウスや硯陣センターで訓練を受けたいなあと思ったりもしたのですが、全盲の主人と二人の子供を残して半年以上を家を離れることはできないので、歩行訓練を受けることをあきらめていました。
そんなおり盲人協会の歩行訓練でアイライト協会の森先生が龍野に来られて、先生の交通費と利用会費だけで在宅で訓練をしてあげますよと言ってくださいました。
わたしの求めていた歩行訓練への道が開けたのです。
でもまだ、わたしは迷っていました。
というのは毎回の交通費45千円はわたしの家の家計では、ばかにならない出費だからです。
そんなお金を使ってどんくさいわたしが歩けるようになるだろうか心配だったからです。
でも主人の「受けるんやったら今しかない。
思い切って受けてみたら。
」の一言に背中を押されるような形で先生にお世話になることにしました。
わたしは先生に教えてもらった目標物や点字ブロックをついつい見落として通り過ぎてしまったり横にそれたりとなかなかうまくいかず、自分の感のにふくさに嫌気がさし自信がなくなってくる時がしょっちゅうです。
でもそんなとき誰でも初めはそんなものだと温かく励まして根気強くつきあってくださいました。
毎週、神戸からはるばる龍野まで無報酬で来ていただいている先生には本当に感謝しています。
今やっとバス停から福祉会館までが何とか終わり、次はいよいよ駅に挑戦です。
はたしてどこまでできるのか分かりませんが、がんばりたいと思います。
わたしは歩行訓練を受けるようになってから、ずいぶん明るくなったなあと回りの人や主人に言われます。
近所づきあいも前ほど気後れしなくなり、ずいぶんスムースにできるようになりました。
生きていく上でも前向きなところが出てきたのかもしれません。
歩き方はまだまだ下手くそですが、回りの人から「かわったねえ。
今日はハイやね」と言われたとき歩行訓練を受けてよかったなあと思います。
在宅の歩行訓練にも公的扶助が受けられたら、わたしのように施設に入所できない者も訓練が受けやすくなると思います。
そして訓練士の先生にもそれなりの報酬が支払われるようになる日が早く来ることを願いなから点筆をおきます。