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当協会の会報を、バックナンバー含めて総てお読みいただけます。1999年から続く本会の歩みをぜひご覧ください。視力を使わず自由に街路を歩く技術、歩行訓練。ここではその体験をされた皆様のお声をインタビューでお読みいただけます。ここでは視力を用いずにパソコンを利用されている様々な当事者の方の事例をご紹介します。

歩行訓練士スーちゃんとの街歩きコラム♪

目が見えにくく、見えなくなると自由に外出できなくなるのだろうか、こうした不安を取り除いてくれるのが歩行訓練です。
視力障害のため歩行が困難となっても訓練を受けることで様々な場所へ行けるようになります。
ほかにも公的なガイドヘルパーや盲導犬の利用といった方法がありますが、歩行訓練の魅力は自分で行きたいところへ行きたい時に行けることです。そんな歩行訓練の魅力を、体験者の声を交えて発信しています。


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今回は、現在鍼灸師となられるべく勉強をされているKさんとの対談です。歩行訓練士との出会いから自由な歩行をされるようになられるまでのお話です。


すーちゃんイラストすーちゃん:ではKさんお話を聞かせてもらいますね。
Kさん:はい
すーちゃん:よろしくおねがいします。
Kさん:よろしくおねがいします。
すーちゃん:久しぶりにお会いして元気そうでよかったですわ。
Kさん写真Kさん:そう…ですね。
すーちゃん:盲学校行ってらっしゃるんですよね。
Kさん:そうですねぇ。
すーちゃん:もう5月だから…1ヶ月ちょっとくらい。
Kさん:今で1ヶ月ちょっとで、ちょっと慣れてきたかなっと。
すーちゃん:通学はどうですか?安全に行けますか?
Kさん:行けますね。先生の話では歩道橋使った方が早いって言われたんやけど・・・。
すーちゃん:ああそうですか。
Kさん:でも、まぁ自分で安全に行けるところって、知ってるところしかないから、地下道使って行ってます。
すーちゃん:そうですか。
Kさん:うん。
すーちゃん:どうですか?久々の学生生活は?
Kさん:今度またテストもあるんやけど、…中間テストが。
すーちゃん:へぇ?
Kさん:で、その前に4月29日には運動会があって。
すーちゃん:運動会。学校みたいですね?
Kさん:もう学校ですよ。運動会もあるし体育の時間もあるし。
すーちゃん:ちょっとシュッっとされた感じがしますもんね…。
Kさん:筋トレみたいなのがあって。
すーちゃん:あ、筋トレ。あるんですね。
Kさん:あんまの授業の前にも筋トレがあって。腕立て伏せやら腹筋やら。いろんなことやらされて。
すーちゃん:あの…、マッサージの勉強をしにいこうと思ったら実は体育会系だったという。
Kさん:ねぇ。
すーちゃん:ふーん。
Kさん:まぁ勉強もガッチリあるし、中間テストの前のテストで小テストがあるって言ってたのに、ガッチリ50問もあって。こんなん解けへんし。
Kさん:忘れていくんですよ。
すーちゃん:ええ。
Kさん:昨日覚えていたことが今日になったらもうすっかりぬけてて。
 で、その前にテストとか、東医の勉強もあって、五行(注1)とか、東洋医学の勉強があってかなり難しい勉強になって。
すーちゃん:そうですか。
Kさん:医学なんやけど、僕が考えてたあんまマッサージ指圧いう実習が主で、勉強というのはもうちょっとこうパッパっとやって、国家試験に通れるくらいの問題をばーっと一気にやって通るんかなっていう感じやったんやけど、それとは違って50分の授業があって、それが6時間目まであるし・・・。
すーちゃん:座っていられます?
Kさん:あんまの時間が、必ず1日1時間あるからその50分は座ってないんですけどね、あとは座学で。
すーちゃん:大人になってからの座学なんて、ねぇ、きついですよねぇ。
Kさん:でね、椅子がね、学校だから木で・・。ほんまに学生の・・・。
すーちゃん:でもなんか楽しんでらっしゃるようでよかったですわ。
Kさん:楽しみながら、なんとかやってますわ。
すーちゃん:そうですか。でも、思い出してみると、最初にお会いしたのは歩行訓練からでしたもんね。
Kさん:そうですよね。で、そのときに盲学校の話が出て、電話したらもう募集が締め切ってて。
すーちゃん:1年計画ですものね。
Kさん:そうですねぇ。
すーちゃん:いや、でもよかったですわ。
Kさん:うん、まあなんとか入れたんで。
すーちゃん:はい、よかったです。でも最初お会いしたときは視力が急に落ちて間もない頃でしたから。
Kさん:ちょっとね、出るのも怖い状態やったし。
すーちゃん:大変だったんですよね。
Kさん:で、その前に入院もしてたし。
すーちゃん:えぇ。
Kさん:目の病気で入院してて、その後の年末に歩行訓練受けたら?って言われて、で、電話して受けよう思ってた時がちょうど入院してしまった時で。
すーちゃん:そうでしたね。あれ?あれ?って思って。
Kさん:で、まあ年末にね。来ていただいて。
すーちゃん:はい、そうでしたそうでした。
Kさん:それで、1月から歩行訓練を受けてて。はじめだから家の周りの歩行訓練から始まって・・・、ひとりで出るのが怖かったから。歩くんもどうしようかなと。付いてもらったら歩けるんやけど。歩行訓練って自立で歩かなあかんから。白杖を持ってどう歩くんやろうってはじめ思って。で、杖の使い方。
すーちゃん:はい。
Kさん:あの溝を使ってっていうのがあって。
すーちゃん:うん。
Kさん:ああこうしたら歩けるんや思って。そこから徐々にね、歩く範囲を伸ばしていって・・・。
すーちゃん:そうでしたねぇ。お医者さんまで行ってみたりとか電車使ってみたりとか・・・。ある程度行ったら梅田までもう一人で行ってらっしゃいましたよね。
Kさん:うん、あの時はね、、梅田までは行けるわ!と思ったんですよ。電車乗れたから、ひとりで乗れたから、あ、梅田まで行けるからなんとかなるかなぁと思って。
すーちゃん:その最初にね、一人で出られないわ、どうしよう!って言ってた時から、行けばなんとかなるわ!っていう、なんていうんかなぁ・・・そう思えたのは。
Kさん:そう思えたのはやっぱり、アイライトである人に会ったのが一番良かったかなって思って。あの人の方が見えてへんのちゃうかな?と、僕より見えてへんのちゃうかな?と思って。で僕の方がまだましかな思って。
すーちゃん:そうなんですね。
Kさん:でもあの人は、カーッ!て出歩くし、それで一回飲みに行きましょか?って話になって・・・。
すーちゃん:ええ、やっぱりそんな風に出歩いている人もいるんだ、とか、動き回る方に出会うっていうのは、なかなか大きなものかも知れないですね。
Kさん:そうですね。まぁひとりで家におったら絶対に出られないし・・・。その前に鬱にもなったし。
すーちゃん:うん。
Kさん:だから、出会えたんが一番かなぁ、大きいかなぁ。
で、まぁ歩行訓練受けて外に出られたんが僕にとって一番のメリットで、よかったんかなって。もし歩行訓練を受けなくて、家で悶々として杖だけ持ってそのまま何もせずやったら・・・。一人で外へ出られない状態で、誰か家族に付いてきてもらわないと出られない。でも、歩行訓練受けてからは、近所のね、散髪屋さんも・・・。
すーちゃん:行っておられましたね?
Kさん:まぁ行けるかなぁと思って。
すーちゃん:うん。
Kさん:そこやったら行けるかと思って。ゴミ捨てもね、行けるようになったし。
すーちゃん:うん。
Kさん:それが一番大きい。歩行訓練を受けて人と出会えたんが一番大きいかなと。
すーちゃん:ふーんそっか。ところで、1年って早いですか?
Kさん:僕はながーい、なんかもう何十年も付き合ってるようなスーちゃんと出会って1年ちょっとやねんけど・・・。
すーちゃん:まだ1年。
Kさん:古い友達やってるような。
すーちゃん:まぁそれだけ濃かったということなんだろうかぁ。でも、いろいろな体験はされたんだと思います。
Kさん:ホットポットの会(注2)とか。
すーちゃん:うん。
Kさん:ホットポットの会も行かしてもらえるようになったし・・・。飲み会やいうてたから。
すーちゃん:飲み会ですね。
Kさん:とりあえず行ってみよって思って。
すーちゃん:そうです!それが大事です!出ないと飲み会にも行けませんものね。
Kさん:ラッキーの会の人にも出会えたし。
すーちゃん:楽しそうですね。じゃあ、そうですね。最後にあのこの対談を聞いてくれている人たちにお伝えしたいことを。
Kさん:やっぱりねぇ、出られへん人も一回アイライトに電話かけてみるか、インターネットでもいいから、そのホームページで見て・・・、見られへんかな。目の見えない人もホームページ音声で聴いたりして、とりあえず電話をかけてみることが大事かなって思う。で、まぁみんなもこの対談読んで、ちょっとでも外へ出られる勇気が出たらと・・・それがメッセージかな。勇気があったら・・・、ね、ちょっとでも勇気出して出てみよう・・・と。
すーちゃん:そうですね。ちょっとだけがんばって勇気を出して、電話をしてみる。
Kさん:うん。それが一番メッセージとしては伝えたいなと。僕が、出られたからね。出れますよと。
すーちゃん:じゃあ、みんなに外出てもらってたくさん出会いをつくってね・・・と。
Kさん:そうそう。
すーちゃん:どんどん広がってったら・・・。辛い思いをする人が一人でも減っていったらいいなぁって思います。

後編へ続く・・・


歩行訓練へ興味をお持ちの方はこちら


(注1:) 陰陽五行説。東洋医学に用いられる、自然現象の5分類を示す言葉。五臓六腑の五臓、五穀米の五穀などがこの分類に当たる。
(注2:) 見えない・見えにくい勤労者の集いとして組織された団体で、きんきビジョンサポート HOTPOTの会 http://www.kvs.cc/hotpot/ のこと。